14 地層の授業


今日の理科の授業は、地層について学ぶことになった。先生は、地層とは地球の歴史を記録した岩石の層のことで、古いものほど下にあると説明した。そして、地層には化石が含まれていることもあると言った。


「化石って何?」

と聞いたのは、クラスで一番元気な男の子、タケシだった。


「化石とは、昔生きていた動植物が岩石になったものだよ」

と先生は答えた。

「例えば、恐竜やアンモナイトなどが有名だね」


「すごい! 恐竜やアンモナイトを見たい!」とタケシは目を輝かせた。


「じゃあ、今日は特別に、近くの山にある地層を見に行こうか」

と先生は提案した。

「みんな、バスに乗って準備してね」


クラスメートはみんな大喜びでバスに乗り込んだ。タケシは窓際の席に座って、山に向かう風景を楽しんだ。


やがて、バスは山の中腹にある広場に到着した。先生はみんなを降ろして、近くの崖を指さした。


「あそこに見えるのが地層だよ」

と先生は言った。

「みんな、注意深く見てごらん。色々な色や模様があるでしょう」


みんなは崖を見上げた。確かに、赤や黄色や灰色など、様々な色の岩石が重なっているのが見えた。そして、その中には白い点や線があるのも見えた。


「あれが化石かな?」

とタケシは興味津々で聞いた。


「そうだよ」

と先生は笑顔で答えた。

「それらは昔この場所に住んでいた生き物の名残だよ。さあ、もっと近くで見てみよう」


先生はみんなを連れて崖に近づいた。タケシは一番前に走って行って、崖に手を触れた。


すると、突然崖から大きな音がした。タケシは驚いて後ろに飛び退いた。すると、崖から大量の岩石が崩れ落ちてきた。


「みんな、逃げて!」

と先生が叫んだ。


みんなは慌てて広場に戻った。タケシも必死で走った。幸い、誰も怪我はしなかった。


「大丈夫か? タケシ!」

と先生が心配そうに声をかけた。


「大丈夫です」

とタケシは言った。

「でも、崖が崩れちゃった」


「そうだね」

と先生は言った。

「でも、これも地層の一部だよ。地層は常に変化しているんだ。新しい地層ができると同時に、古い地層が消えていくんだ」


「へえ」

とタケシは感心した。

「じゃあ、あの化石も消えちゃったの?」


「そうだね」

と先生は言った。

「でも、心配しないで。あの化石は、実はとても貴重なものだったんだよ」


「えっ? 貴重なもの?」

とタケシは驚いた。


「そうだよ」

と先生は言った。

「あれらは、実はこの山の主である龍の骨なんだ。昔、ここには龍が住んでいて、人々と仲良く暮らしていたんだ。でも、ある日、悪い人たちが龍を殺してしまったんだ。その時にできたのが、あの地層なんだよ」


「ええええええ!」

とタケシは叫んだ。


「冗談だよ」

と先生は笑って言った。

「本当は、あれらは本物の化石だよ。でも、タケシが崖に触ったせいで、崖が崩れちゃったんだから、罰としてこんな話をしたんだよ」


「先生、ひどいです!」

とタケシは泣きそうに言った。


「ごめんごめん」

と先生は謝った。

「でも、これで地層についてよく分かったでしょう?」


「うん」

とタケシは言った。

「地層ってすごいね」


「そうだね」

と先生は言った。

「地層は地球の歴史を教えてくれるんだ。だから、大切にしないとね」


「そうですね」

とタケシは言った。


それ以来、タケシは、地層を壊さないように気をつけるようになった。

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