169日目 異世界-2

「は、狭間様です!! 帰ってきました!!」

「休憩は終わりだ!! すぐに並べ!!」


僕は騎士団の方々、マッソさんの方へと走っていく。

「お待たせしました!!」

「いえ、全然待ってないですよ、全然」


「本日もよろしくお願いします!!」











「【エリアハイヒール】!!」

いい感じにスキルが上がっている。

魔物を狩るわけではないので、ジョブレベルは上がらないが、ステータスとスキルはどんどんと上がっていく。


ただ、カウンタースキルどころか【盾】の新スキルも習得する気配は全くない。

おそらく【盾戦士】のジョブをほとんど使ってこなかったことが影響しているのだろう。


ん?


「狭間様ぁ!!!」

トロゲンさんが猛ダッシュで近づいてくる。

申し訳ないが、おそろしく暑苦しい。


「なんでしょう?」

「はぁ……はぁ……シトン様が及びです。

 大至急!! 大至急向かってください!!」


「わ、わかりました」

何やら緊急のようだ。

僕は【アジリティエイド】【ハイアジリティエイド】で俊敏を上げ、さらに【魔影装】を発動させる。

全力ダッシュだ!!


「はや!!」

「おい……あの人一体何者なんだ?」









「来たか。こっちだ」

シトン様エレベーター前で待ち構えていた。

「はい!!」


「君がいて助かったな。緊急で【回復魔法】が必要だ」

「ここで回復が必要ということは、【ホーリービジュア】ということでしょうか?」


「そうだな。(イカれてるくせに、こういうことには頭が回る)」


ガコッ!!


どうやらエレベーターが地下に着いたようだ。


「こっちだ」

速い。

フル補助と【魔影装】でなんとか着いていけるくらいだ。

それくらい急いでいるということか。


向かった先の部屋に、大きな筋肉質の男性が横たわっている。

「さぁ、やってくれ」

「はい。【ホーリービジュア】!!」

【ホーリービジュア】の発動で光が集まってくる。

パッと見外傷は無いように見えたが、【ホーリービジュア】が発動しているということは、相当なダメージがあったようだ。


「助かった」

「こちらの方は?」


「ダーハルトだ。確か、彼の息子は君の友人だな?」

「え!? ショーンのお父さん!?」

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