五日目

第8話

 今日も朝のルーティンを一通り終わらせる。

 新しい情報も特にななし、各種ライフラインも未だ健在。

 特に問題らしい問題はないため私はいここ数日ですっかり日課になってしまったゴブリン狩りへと出掛けた。


「ははは!燃えろ燃えろ!」

 明らかにヤバイ感じの若者がそこに居た。

 異様なまでのハイテンションで炎の玉をゴブリンにぶつけ殺している少年を。

 正直に言ってあまり関わり合いになりたくない部類の若者だった。

 索敵のお陰か、私の感もアレは敵になり得る存在かも知れない事を訴えかけてきている。

 私は回れ右をして彼から離れゴブリン狩りをする事にした。

 そんなイレギュラーな事もあったが、ゴブリン狩りは昨日よりも成果を上げた。

 やはり毎日ゴブリンの数は増えているようだ。

 それと獲得する経験値量も増えていることから、その強さも増しているのは確実である。

 ただ、私も相当にレベルが上がっているためか、その実感があまりないのだが。

 本日午前中の成果は七九匹。

 恐らくだが、この周辺だけで毎日十体ずつ程数が増え、一レベル上がるという事象が毎日繰り返されているようだった。

 そして、お昼の時間になっていたので、私は自宅へと帰っていった。


ステータス

 伊勢開成

 レベル55

 SP9

 スキル

 身体操作5

 身体能力強化4

 索敵4

 隠密4

 経験値9/55


 さてお昼も食べたことだし、スキルの強化を行うとしよう。

 ただ今回は一つ懸念点があった。

 あの炎の玉をゴブリンに当てていた若者だ。

 あの若者からはあまり良い雰囲気を感じなかった。

 今後も何処かでであう可能性を考えて、何かしらの対策を講じていた方が良いだろう。

 私は現在獲得出来るスキルの中から、何か良いものは無いかと探してみた。

 すると良さげな者が見つかった。

 魔力知覚。

 これがあればあの炎の玉…恐らく魔法の発動を知覚できるようになるのではないかと。

 私はその推論の元に新しいスキル、魔力知覚を獲得した。


ステータス

 伊勢開成

 レベル55

 SP0

 スキル

 身体操作5

 身体能力強化4

 魔力知覚4

 索敵4

 隠密4

 経験値9/55


 新しいスキル魔力知覚を取得した途端世界に新しい彩りが加わった。

 何とも摩訶不思議な感覚であるが、この世界には魔力がこんなにも魔力が存在していたのかと、目眩がする程の情報量であった。

 赤紫の霧のようなものがそこら中に存在していたのだ。

 これが魔力か。

 そして、この魔力は私の身体の中にも巡っているようだった。

 私は新たに手に入れた知覚能力に早くなれるためにも、午後もゴブリン狩りに性を出すことにした。

 午後のゴブリン狩りの成果は六六匹だった。


ステータス

 伊勢開成

 レベル60

 SP5

 スキル

 身体操作5

 身体能力強化4

 魔力知覚4

 索敵4

 隠密4

 経験値53/60


 自宅へと戻り夕食を食べながらテレビを眺める。

 だがいつまで経っても目新しい情報は見つけられなかった。

 さて、食事も終えたのでSPの割り振りを考えることにしよう。

 現状私の攻撃手段は手元にある庖丁のみ。

 今まではこれで十分だったが、午前中に見た魔法を操る若者の姿を見ると、この庖丁だけでは心許ないものがある。

 なので、私も魔法のスキルを手に入れようと思う。

 そうして取得できる魔法スキルがないかと探してみるものの、それらしいものが存在していなかった。

 どうやら何かしらの条件が必要なようだ。

 これがもし、生まれついての素質だったならば、私は魔法を使うことは出来ないだろう。

 だが、前提条件となり得そうなスキルがあった、それは魔力操作のスキル。

 早速私は魔力操作のスキルを取得してみるが、スキルのレベルが足りないのか魔力操作一では魔法スキルが出現しなかった。

 なので私は今あるSPの割り振りを全て魔力操作につぎ込むことを決心した。


ステータス

 伊勢開成

 レベル60

 SP2

 スキル

 身体操作5

 身体能力強化4

 魔力知覚4

 魔力操作2

 索敵4

 隠密4

 経験値53/60


 とは言え、現状のSPでは魔力操作二迄しか上げることは出来ないのだが。

 さて、当面の目標は定まった。

 魔法スキルを取得する事だ

 因みに魔力操作を憶えたことにより、私の身体の中の魔力や周辺の魔力を動かすことが出来る様になっていた。


 二〇二〇年一月五日二四時。

 今日も黒い渦が発生ゴブリンが現れる。

 その数はまた増え、そしてレベルも同時に上がっていた。

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