世界は変わってしまった。

Uzin

変ってしまった日常

一日目

第1話

 時は二〇一九一二月三一日、時刻はまもなく二四時を回る頃。

 人々は新年を祝うために様々な場所で過ごしていた。

 そんな中伊勢いせ開成かいせいという男性は、自宅で一人即席のカップ蕎麦を啜りながら、テレビから流れる人々で神社の様子を見ていたのだった。

 そしてその時が訪れる。


 私の名前は伊勢開成三十八歳、現在は無職の男だ。

 そんな私は退職する前に蓄えた僅かばかりの貯蓄を崩しながら、今年はゆっくりと養生しながら趣味で小説を書き、それをネットに投稿して過ごしていた。

 そんな日々を過ごしているとあっという間に時は過ぎ今は大晦日。

 私は即席のカップ蕎麦を啜りながらテレにの画面をぼーっと眺めながら新年が訪れるのを何とはなしに待っていた。

 放送されているテレビ番組は、除夜の鐘をつきに来て居る人々にインタビューをするというありきたりなもの。

 そして、もうまもなく新年を迎えるというタイミングで、インタビューは終わりスタジオのワイプが画面に表示される。

 そして始まるのは新年を迎えるカウントダウン。

 私はいつも通り平穏な新年が迎えられると思っていた。が、そんなものは訪れなかった。

 突然目の前に表示される文字の羅列。

 そこにはこう表時されていた。


ステータス

 伊勢開成

 レベル1

 SP1

 スキル

 無し

 経験値0/1


と。

 私は困惑した。

 いきなり目の前に表示されるライトノベルやネット小説で見るようなステータスのそれと同時にそれと同時に、テレビではあり得ないことが起こっていた。

 突如黒衣渦のようなものが現れ、そこから物語の中で語られる様なゴブリンめいた生き物が現れ、人々を襲い始めたのだった。

 阿鼻叫喚の様相を映し出すテレビの画面は直ぐ様切り替わり、スタジオへと切り替わった。

 モンスターが現れた?

 私は急に表示されたステータスの表時と、人々を襲うモンスターに戸惑い、蕎麦を啜る手を止めてしまった。

 そしてふと気付くと、部屋の外がやおら騒がしくなっていることに気付く。

 もしやこの辺りでもモンスターが現れたのか?

 私は自宅のガラス戸に近づき外の様子を確認してみた。

 そうすると、そこには先程テレビに映っていたゴブリンの様な存在が闊歩していたのだった。

 私は考えた。

 このまま籠城して助けを待つか、それとも打って出て安全な場所へと避難するか。

 私はその両方の考えを否定した。

 そして、私はレベルを上げて生存率を上げることにする事にしたのだ。

 取り敢えず、得物となり得そうなのは台所にある庖丁ぐらいかと思い、台所へと向かい庖丁を手に取る。

 庖丁を手に取った私は、そっと玄関の扉を開き外へと身を躍らせるのだった。

 この時の私の心境は恐怖よりも、ファンタジーの世界になってしまったこの世界へのワクワクの方が強く支配していた。

 外に出ると、電柱の光を不思議そうに眺めるゴブリンがいた。

 私は此方へ注意を向けてないそのゴブリンの背後へとそっと近づき、手に持っていた庖丁をゴブリンの首筋に突き立てた。

 だが、ゴブリンはそれだけでは死なず暴れ出した。

 なので私は何度も首筋へと庖丁を突き立てた。

 するといつの間にかゴブリンは息絶えその場に頽れたのだった。

 それと同時に私のしか居に表示されていたステータスの表記が変わる。


ステータス

 伊勢開成

 レベル2

 SP2

 スキル

 無し

 経験値0/2


 私は身体の具合を確かめる。

 特に力が湧き上がる間隔も無いし、筋力などが変化したというわけでも無さそうだった。

 どうやらレベルが上がる事によって身体能力が変化することがないか、若しくは微弱な上昇しかしないのではないかと予想する。

 そこで一端踵を返し自宅へと戻ることにした。

 自宅へと戻った私がしたことは、このステータスをどう扱うべきかと言うことだった。

 表示されているのは、私の名前、レベル表記、SP2、スキル無し、経験値0/2の文字。

 そして、それを意識した時何となく使い方が解った気がした。

 なのでそれに従ってみることにする。

 心の中で新しいスキルを獲得したいと念じた。

 すると様々なスキルが目の前に羅列されたのだ。

 私はそれを見ながらどれを獲得するべきかと悩む。

 攻撃的なものを選ぶべきか、防御的なものを選ぶべきか。将又補助的なものを選ぶべきか。

 そんな中あるスキルが目に止まる。

 身体能力向上。

 ふむ、これであれば今後どの様なスキルビルドにしようとしても無駄にはならないだろうと思い最初に取得するするスキルは身体能力向上にする事に決定した。

 するとステータスの表記が変化する。


ステータス

 伊勢開成

 レベル2

 SP1

 スキル

 身体能力強化1

 経験値0/2


 無事スキルを獲得することに成功したようだ。

 私は試しに身体を動かしてみる。

 ふむ、何となく身体の動きが良くなった気がしない気もしない…

 ま、まだ取得したばかりで表記が一なので、効果が低いのだろうと思うことにする。

 余ったSPを何に使うか考えることにする。

 このまま身体能力強化スキルを上げることに使うか、別のものに使うか。

 試しに身体能力強化スキルを上げようとするが、上げられないことを理解した。

 感覚的なものだが強化するためにSPがたりなのだろう。

 だとすると、私は別のスキルを取得する事に決めた。


ステータス

 伊勢開成

 レベル2

 SP0

 スキル

 身体能力強化1

 隠密1

 経験値0/2


 多分これで他者から隠れて行動しやすくなったはずである。

 私は今できる強化が終わったのでこの後どうするかを考えた。

 このまま引き続き経験値を稼ぎに行くか、寝るか。

 …私はもう少し経験値を稼ぐする事にした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る