第1話・ありえない不運とありえない幸運(不運)
処女作です。大目に見て…
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「えーっと。。。あー、うん。いつかこうなるとは思ったけど、よりにもよって今日かー。。。」
何か嫌な予感がし、ぼろぼろの今にも崩れてしまいそうなアパートの一室。そのリビングに置かれている一枚の置き手紙をみて、独り言ちる。
その手紙には、「お前の両親は死にました。帰ってくることはないので、あとは一人で生きていてください。今日は怖い顔をした、少しやんちゃなお兄さんたちがお金を取りに来ます。命まで取られないよう頑張って!!by父&母」と書かれていた。
「死にました。って。昨日、俺が寝る前まで普通に家にいたし、どうやって手紙書いたんだよ。息子捨てて二人だけで逃げる親がどこにいるんだよ。」
どうしようもなく無性に腹が立つことではあるが、いかんせんろくに働きもしないで俺のバイト代を勝手にパクリ、パチンコ・競馬・競艇に全部突っ込んでヘラヘラしながら帰ってくるような親だ。
それだけでは飽き足らず、キャバクラやホストにあり得ない値段つぎ込んでいた。
俺は高校生だ。あたりまえだが、いくら働いたって稼げる額はたかが知れてる。金の出どころを不思議に思っていたが。。。
まさかやーさんに借りてるとは思わなかった。。。いや、うちの親なら普通にそういうところからも借りるか。俺の考えが浅はかだった。
「あーーーーー。マジでどうしようもねぇ親だな。親ガチャやり直して~。」
すると突然携帯が鳴った。一応スマートフォンは持っているが、これは偶々父と母がパチンコで大勝ちしたときに気まぐれで買ってもらったやつだ。携帯代が高くならないように極力使わないようにしてきたが、何もかもどうでもよくなっている今はいいか悪いか、何のためらいもなく手に取る。
「もしもし!?お前今日学校来てないけどなにやってんだよ?お前いつも家が貧乏だからせめていい会社に行けるように休まないようにしてるって言ってたじゃねぇか」
少し口は悪いが心配したように声をかけてきたのは、学校での唯一の友達の安達京平(あだちきょうへい)だ。そして、俺の家庭のことを知っている数少ないうちの一人でもある。
「あー。もう俺学校行けねぇわ。親が夜逃げした。借金の取り立ても今日来るらしい。お前も知ってる通りうちには借金払える金はない。つまり俺に人生はここで終わりかもな。」
現実味がないのか、疲れ果てて感情を表に出せる気力もないのか。はたまた生への執着がなくなったのかなんの抑揚もなく話す。
「はぁ!?お前の親夜逃げしたのか!?どうするんだよこれから!!とりあえず今すぐ逃げて来い!!!取り立ての人が来たら。。。「小鳥遊(たかなし)さーん。お金用意できましたよね?今日支払い期日なんですけどー」」
外から野太い男の声とドアを強めにたたく音が聞こえる。
「ごめん。お迎え来ちゃったみたいだわ。電話切る。会えてよかった。じゃあな」
俺はこれが人生最後の瞬間だと思い、覚悟を決めて唯一の友達に別れを告げる。
「おい!玲!絶対行くな!いない振りして窓から逃げろ!おい!聞いてるのか!!待ってろ!今行く!部屋から出るんじゃねーぞ!!!プツップープープー」
京平の怒鳴り声を最後に電話話切れた。あいつには待ってろと言われたが、部屋の中で居留守使ったとっころで、ドアをけ破られて見つかるのが落ちだろう。無駄に怒らせる必要もないし、潔く出ていくのが一番いい。そう思い玄関を開ける。
「おう、にいちゃん。お前小鳥遊の倅だな。なんでもっと早く出てこねぇんだ?あ?なめてんのか?今日は借金払う日だろ?お前の親二人とも連れてこいや。今日払えねぇっていうんならコンクリ詰めで海の底って伝えろ。一分以内に連れてこい。」
どう見ても、どう聞いても、堅気じゃない入れ墨・スキンヘッドの大男がどすの利いた声でまくし立ててくる。しかし、生への執着がなくなったことと失うものがもうないという状況だからか俺は努めて冷静に返事を返した。
「親は今日の朝飛びました。これがその置き手紙です。お金は払えません。」
そういって今朝リビングで見ていた置き手紙を渡す。しばらく無表情でその文面を見ていたスキンヘッドの男の顔が見る見るうちに赤くなっていく。
「くそが!!!!おい。おまえほんとに居場所知らねえのか?あ?知ってんなら今すぐ言え。半殺しで許してやる。ほんとに知らねぇならどうすんだ?あ?この落とし前どうやってつけるつもりだ?2500万どうやって払うんだって聞いてんだよ!!」
鬼のような形相で俺をにらみつけて、胸倉をつかみながら怒鳴る。しかし、払えないものは払えないのだ。いくら怒鳴ろうが喚こうがないものはない。しばらく無言の状態が続いたからか、少し怒気を抑えたスキンヘッドの男は胸から手を放し、俺を指さして言った。
「おまえの親は飛んだ。そしてこれを見ろ。借金の保証人はお前になってる。おまえが知ってようが知らなかろうが、ここにあるのが証拠だ。悪いが臓器何個か売ってでもこの2500万払ってもらうからな。いいな。おい、こいつ連れてけ。」
どうやら、俺は臓器を売られるらしい。スーツ姿のいかつい男数人に囲まれながら黒のワゴンに乗せられそうになったその瞬間。プッシューという音と白いもので視界が覆われる。
「おい!玲!大丈夫か?今のうちに逃げるぞ!ほら!早く来い!」
そうひそひそと耳元で言って、俺の腕をつかみ走り出したのは、京平だった。
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限界ヲタニート初の投稿です。よければコメントください。
これVtuberの話だよね?って思ったあなた正解です。
次回からV要素が出ますのでお待ちください怒らないで。。。
おやすみなさい。
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