第13話人情たこ焼き屋

名古屋市昭和区にある、たこ焼き屋さん。たこん壺なる店。

昔、お世話になった。金が無くて、食うもんが無くて、つけで、チャーハンを食べさせてもらった。

僕は、仕事を始めるとこの、たこん壺を避けていた。

ほんの、気の向くままに、数年ぶりにたこ焼き屋に入った。

ここは、6人ほど座れる場所があり、店内で酒が飲めるのだ。


今日もチビチビ、ビールを飲んでいた。イカの塩辛で。

すると、周りの客は、じいさん、ばあさんばっか。

そこに、威勢のいいオジサンがきた。

話の端々に訛りを感じていたのだが、鹿児島出身らしい。連れもいたのだが、そのオジサンは皆んなにビールを飲ませて、なんと、ウナギ蒲焼きまで振る舞った。

出来上がったのであろう、タクシーでカラオケ屋に向かった。

僕はお礼を言った。オジサンが飲み残した瓶ビールを大将と2人で飲んだ。

ばあさんが、僕のサングラスを、何故、夕方なのにかけてるの?と、聞いて来たので、病気ですと答えた。

大将は、何かとお年寄りの面倒を見ている。

それは、私生活まで。

引っ越しの段取りを決めたり。

毎年、ここは隣の台湾料理屋で忘年会をするが、参加しようかな?

人情たこ焼き屋。

この世知辛い世の中で、こんな店もある。

名古屋市の読者の方、おすすめします。

今日は、ここで、瓶ビール3本半飲みましたとさ。

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