え?待って!ピコピコハンマーが武器ってどゆこと?〜召喚されたけどハズレ武器だったから追放された俺。追放された国は滅ぶらしいよ。

K0壱

え?待って!ピコピコハンマーが武器ってどゆこと??

異世界召喚された。武器を与えられた。ピコピコハンマーだった。


あーどうも。俺。

つい1分前まで勇者と言われておりました。

ですが、武器召喚の儀式で引き当てた武器はピコピコハンマーでした。

はい。あれですよあれ。あのピコピコハンマーです。

その瞬間。勇者とモテはされていた気運が一気にスンってなりました。


その武器を見た王様はブチ切れ、一緒に召喚されたものは嘲笑を浮かべてましたね。うん。俺もそっち側だったら多分嘲笑していたと思うし、俺も王様だったらブチ切れてると思う。

でもさあ・・・魔物がいる森と言っても、冒険者Sランクでも裸足で逃げ出すと言われる森に放り出さなくてもよくね??

俺。たまたまピコピコハンマーが武器な勇者という可能性なくない??

あーないですか。そうですか。


みなさん事件です。俺。すっごい勢いで追われてます。なんかでっかい魔物。

もうすぐ追いつかれそうです。助けてええええええっっっっっ!!死ぬのいやあああああっっっっっっ!!!!って大声で絶叫しながらギャン泣きしながら逃げ回ってます。

俺かわいそすぎん??なに??この無理ゲー。

しかしあれですよ。逃げ回っていたらさ突然目の前に岸壁が現れるんだもんね。

はい!俺😇ってかんじ??

クソが!!こんなところで死んでたまるかよ!!

人間瀬戸際になるとやけっぱちになるんすかね??

いやなるんすよ。俺はやけっぱちでピコピコハンマーを構えた。

「このピコピコハンマーでお前を叩きのめしてやんよ!!」

俺は意を決して、めちゃくちゃ吐きそうになりながらうおおおおおおっ!!って

気合いだけで相手に駆け出して勢いで飛んで、思いっきり敵の頭にピコピコハンマーを打ちつけた。うん??打ちつけたという言葉で合ってるのか??

ってそんなことを考えてる暇じゃねえだろ?俺!!

「ぴっっっっっっこーーーーーーん。」

ってめっちゃでかい音が鳴り響いた瞬間。魔物が魔石になった。それもでかいやつ。多分純度が高いと思う。

は?なんで??何が起こってるん??

待て待て待て!!なに?このピコピコハンマーで魔物を倒せば、魔物が魔石になるのか??

「ふ・・・ふふふははははは・・・。」

俺は何故か笑ってしまう。今まで恐怖心だけだったのだが、ついさっきやけっぱちで魔物を倒したら恐怖心が解放されたのか。自分の感情が追いつけないからとりあえず笑ってしまおうと思ったのか、俺は笑い声をあげてしまった。



はい。魔物がいる森で大声で笑ったら、それは自分が命を危険に晒すってことっすよね。本当ばか。略すとほんばか。

今度はめっちゃ囲まれてます。でかいクマ型の魔物。こいつ「くま〜っ」ってめっちゃ可愛い声でなくし、見た目がテディベアのつぶらな瞳を持っているのに。爪がマジでやべえの。「くまーーーーーっ」て威嚇しながら爪を振り回したら一撃で周りの木を全部切り倒すんだもん。

でも俺も、死ぬわけにはいかないじゃん

「テディベアじゃない。可愛くもないくまは全員死ねええええええええっっっtっ」ってピコピコハンマーを振り翳しながら、熊に一撃を与えようとしました。

だけれども、こいつ俺のハイパー投げやり攻撃を受けてやがんの。

その瞬間クマが「くまくま〜。」ってにやあって凶悪な目になりやがった。

あ!詰んだ。確実に詰んだ。

「くまーーーーーーーっっ」

クマが振り翳して俺を殺そうとしてる。

「うわあああああああ。くるなああああああああっっっ」

俺はなりふり構わずピコピコハンマーを振り翳した。

「ぴっっっっっこーーーーーーーん。」

へ??なんで今この音が鳴った??

くまもいきなりの音できょどってる。

でもそれも束の間、クマが魔石になった。


おー!小さいながらもすごく濃度と純度が高い魔石だ。

こいつをたくさん倒せば、俺は金持ちになれるんじゃね??

ふ・・・ふふふふふふふふ・・・。

そうだ。こいつらは魔物で、勇者に倒される奴らで、ついでに金になるやつ。

しかも剣で倒しても、魔物は魔石にならない。

でも俺のピコピコハンマーで倒したら、奴らは魔石になる。。

だったら!俺が!!やることはただ一つ!!

このピコピコハンマーで魔物を倒して倒して倒しまくって魔石をガッツガッツ発掘してやればいいっていうわけだよなああ??

やったるでえええええ!!俺は!金持ちになるぅぅぅぅぅぅ!!!

そこからの俺は吹っ切れた。全ては金のため。そうだ!金金金金金金かねええええええええええええっっっっっっっっっっっっっっっっっっ!!!!



一年後。俺はこの森の魔物を狩り尽くした。

そしてマジックバックに入れていた魔石を冒険者ギルドに持っていった。

「これを全部買い取ってくれないか??」

「・・・・・・・・・。」

受付嬢はポカンとしてる。

「し・・・少々お待ちください。」

受付嬢は奥に行って誰かを連れてきた。

「これは・・・この量は・・・。しかもこの魔石の純度、濃度は・・・。」

「あんたは?」

「この王都の冒険者ギルド長のジャックスと申します。あなたさまはまさか・・。

ピコピコハンマーの元勇者さまタケルミヤシタ殿ではありませんか??」

うん?ピコピコハンマーの元勇者??うっせえうっせえうっせえわ!!

元勇者は余計だわ。古傷を抉りやがってクソが!

「タケルミヤシタだが・・。」

「おお!!あなた様が!!『バルブスの森』の魔物を全討伐したのがあなた様だったのですね。そしてバルブスの森へはいった命知らずの冒険者を助けてくださった伝説の元勇者さま・・・」

バルブスの森っていうのかあそこ。

あー確かに冒険者が入ってきたなあ・・・。

ごめん。あれ助けたわけじゃないんだ。俺の金蔓が奪われると思っていただけなんだ。でもそれを言うのはなんかよくない雰囲気だから出さないでおこう。

そ!

し!!

て!!!

元勇者と言うなあああああ!!!!勇者はもう俺の中では黒歴史なんだようううう!!!

「冒険者の命をたくさん助けてくださった貴方さまを無碍にできません。

この魔石を全部買い取らせていただきましょう・・。たとえこの国が破産しようとも・・」

「え?破産??」

「ええ・・この魔石全部買い取るのはこの国の予算全部使い切るしかないですからね。なあに大丈夫です。貴方さまみたいな実力のある方を勇者になってまもない

あなた様を武器が自分らが望んでいない武器だからといってバルブスの森へ放り込むなんて・・。結果。貴方さまはちゃん勇者として役目を果たしましたしね。

貴方さまの武器はちゃんと武器として機能していたのですよ。それをこの国の王たちはわかっていなかった。そんな国は滅びるべきです。ええ滅ぼしましょう。」

待って!冒険者ギルド長ってそんなに力があるの??

「冒険者ギルド長は国の監視役も兼ねてるんですよ。いわば国の執行官ですね。

ですから冒険者ギルドは中立なんです。」

へえ・・そうなのか。

「で。どうします??滅ぼします??」

俺は軽い気持ちで「うん」ってうなづいた。

「では滅ぼしますね。この魔石ぶんの金額をぶんどってからですが」


俺は金持ちになれたし、国が滅んでざまぁも味わえたし。

さあ・・次はどこの森で魔物を狩ろうかな??

あ!そうそう・・実は俺を笑った奴ら。俺のことを馬鹿にしすぎたのかあの森に軽装備できてものの見事に魔物たちに皆殺しされてたんだ。俺はそいつらが全員死んでから、こいつらを殺した魔物を魔石に変えた。あの魔石ってかなり純度と呪度が高いらしいからその魔石だけは俺の手元にある。

ついうっかりその呪いを解き放ったら大変だしね。冒険者ギルド長が動いてくれなかったら、俺がついうっかり呪いを解き放っていたかもだから、国のみんなはギルド長に感謝してほしいよ。

だってギルド長が滅ぼすのはあくまでも「王」だもん。

俺が滅ぼすのは「国」だもん。

最後に怖いこと言ってごめんよ。俺って実は根深い人間なんだよ。







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