第23話 デブツー

 ここには新旧のウォーキングマシーンが2つある。2つ一斉に入れ替えのときだ、ある人がデブツーを探していた。新の方に入れるのに探していた。彼女はマシーンの時間までパドック放牧に出されていたので、誰かがパドックまで取りに行ってるのだろう。

旧の方ではペロちゃんがマシーンから出されていた。しかし、この馬さっきまで馬房にいたので間違って出されたのはあきらかだ。でもペロちゃんがなかなか、マシーンに入ることができないでいた。入る隙がない。誰かが出ていないのか、間違った馬が入ってるのか、ペロちゃんは、マシーンの前で待ちぼうけ。犯人がわかった。デブツーが新ではなく、旧に入れられていたのだ。デブツーが1つ蹴リをかましてマシーンから出て来た、そしてペロちゃん入る。デブツーは新の方に入れられた。こういう混乱はたまにある。

 デブツーとは、ペロちゃんと同じ牧場から同じ日にきた。馬房も向かい合わせ。彼女も調教が強くなるまでは、デブだった。ペロちゃんが黒毛和牛なら、彼女は水牛と言ったところか。ちなみに2頭とも黒くない。2頭とも体高は高くないので、腹がぼってりすると脚が短く見えるのだ。ペロちゃんがデブワンで彼女がデブツー。このデブツー、クセあり一族なのだ。だいぶ前に、彼女のお姉さんが初めて来た時、外国人が馴致をしていたが、大変苦労していた。なんせ、顔が傷だらけだった。どうやったら顔に傷がつくのか、ホチキスまでされてた。女の子なのに…。次の年に入って来た女の子もうるさかった。そして代々続きデブツーにいたる。デブツーは馬房にいる時は、草を食べてるか、寝てる(横たわる)かだ。でも調教は違うらしい。なぜなら、マシーンの時も運動の時も彼女はメンコをしている。一族の血は健在だ。

ペロちゃんとデブツーの名誉のために言うが、今は決して牛ではなく馬だ。ただ、油断すると牛になる可能性大!


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