第12話 馬は人を見る
老人が扱う馬はおとなしい と聞いたことがある。時間がゆっくり流れているからなのか…ホントのことはどうだか知らない。昔騎手だったのかと思うくらい小さいおじいさんが、パドック(小さい放牧地)から、馬房まで馬を引っ張って歩いていた。元気な馬たちだったが、おじいさんは難なく仕事を終えていた。それを見たとき、ホントなのかなと思った事がある。というか、馬が優しいのかもしれない。足を捻挫してゆっくりしか歩けない人が馬を引っ張って歩いていたのだが、それにあわせて馬もびっくりするくらいゆっくり歩いていた。普段は人の歩く速さより速く歩くのだが(怠けて歩かないのもいるが…)、馬ってそんなゆっくり歩けるんだと思ったくらいだ。あと、背の低い人が馬に無口を付けるのに、馬のほうが頭を下げてくれたという話も聞く。もちろん、そこには信頼関係があってのことだが…
馬は人をみるというのは、ホントだ。写真撮影をすることがあって、古馬になると勝手にポーズを取って立ってくれるが、ここにいる馬たちは、立ち方から教えて写真撮るのにも時間がかかる。何度もやってるうちに覚えていくが、そこに至るまで大変なのだ。それで持つ人によっても違う。この人が持つとすぐ撮影できるとか、あの人が持つと馬がいうことを聞かないっていうのはある。馬にとって何が基準なのかはわからない。馬が落ち着けるオーラがでているのか、ただ単にこいつ嫌ーいと思ってるのか…
思うに、人間より馬のほうが利口だ。もし馬が話せるとしたら、人間はダメ出しばかりされそうだ。我慢して、人間にあわせてくれてる気がする。
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