ある東京から広がる声のない断末魔

夏屋うみ

ある東京から広がる声のない断末魔

 これを読んでいるあなたはこの『声のない断末魔』という言葉を小説を読まずに理解できるだろうか?私は予想できないだろう。この小説では『声のない断末魔』を大きなテーマとして執筆した。その名の通りの意味だ。ぜひ主人公が解く謎を一緒に考えてはみないか?


 ◇平凡な日常〈1〉

 どんなに人間が超能力を得ようともこの世界のおきてがある限りそれは許してくれない。でも俺は超能力の代わりに一つ手に入れたい力がある。なんだと思う?それは謎を解く力を持つこと。そんな頭を持つこと。意外とこれは超能力以外にも憧れでの一つだった。そしてそれは決して世界のおきてではないため、手に入れようと思えば入れられる。だが、俺は面倒なので憧れという形で俺の中にしまっておく。そして朝の生徒集会の移動中。

 「よっ!こう元気にしてたか?」

 「四日間の大きい休みだったからな。元気にしてるに決まってるだろ」

 彼の名前は悠太。読み方はゆうた。学校ではお調子者でいつもうるさい。授業中ではみんなの笑いを取るためか問われた答えとずいぶん外れたことを言う。意味が分からない。

 すると悠太が口を大きく上げて叫ぶ。

 「おはようございます!」

 こちらに向かってくる先生に挨拶をする。先生はそれ相応の大きさで、

 「おはようございます!」

 と叫ぶ。反響でその声はどんどん広がっていく。うるさいな。でもこんなお調子者がいるおかげで今日も楽しく過ごせる。

 そして朝の生徒集会の15分が過ぎ、5分後に朝の活動が始まる時間になった。

 急いで教室に向かう。クラスメイトばらばらで帰る。俺はいつものとうり悠太と教室へ帰る。

 保健室を過ぎ、職員室を過ぎ。そして職員室のテレビの音やカタカタと早くタイピングをする先生のパソコンの音が聞こえる。テレビが俺たちの通る廊下側に近いため大きく目立って聞こえる。

 (東京‥‥‥‥)

 テレビで流れたそんな単語を頭の中で繰り返し唱える。東京‥‥‥東京‥‥‥。

 いったい何があったのかは特に気にせず平凡な生活を続けていった。

 

 ◇平凡な日常〈2〉

 一時間目の授業が始まる。生徒集会では頭を使うことはなかったので授業はすんなり進んでいった。授業の教科は数学。俺はそれほど頭がいいわけではないが、授業にはついていくことはできる。

 一時間目は終了。そして二時間目の授業を始めるまでの休憩時間10分を有効的に使うため本を読む。あんなやんちゃな友達をもっているが陰キャみたいな面もある。自分で言うのもなんだけど。

 そして10分は一瞬で過ぎていった。

 二時間目体育。

 二時間目の体育では体操服に着替えて行う。毎回この作業が大変なんだ。

 「体育の先生が今日はお休みため、私が代わりにやらせていただきます。」

 体育先生代行俺らのクラスの主任浅野先生。

 「体育ではね、君たちが好きそうなものをやろうと思ってね。何がいい?」

 俺らに訊いてくる先生はさっきの丁寧な言葉使いから少し変わって敬語が外させていた。

 「ちなみに言っておくけれど体育の先生は東京の日野市の行っているらしいよ」

 そして先生は次の言葉を言うか迷っているような顔を見せた。迷った結果でこう言った。

 「先生はいつか戻ってくるよ。いつかね」

 と今にも泣きそうな瞳を見せながら俺たちのクラスに言った。そのことを不思議に思い家に帰って調べようと思う。その前に授業はちゃんと受けないとね。


 ◇平凡な日常〈3〉

 先生は、体育の先生は死んだ。

 最終的な結論。


 授業は終わり午後学活も終わり、家に帰ってあとは調べるだけ。

 検索ワードは『東京日野市』

 調べた結果。

 日野市の急死率がとんでもなく飛躍している。や 日野市の現在何が起きているの?や日野市の現状を専門家に訊いてみた。などがあがっていた


 先生は死んだのだろうか?


 どんどん下にスクロールをする。


 見えてくる答え。


 『日野市の全滅』

  

 『日野市の亡くなった方たち一覧』


 後者をクリックする。


 スクロールをして15分。


 一つ名前に目が留まる。


 『浅野 祐樹』


 俺たちのクラスの主任。


 興味があり下にスクロールをする。


 『水上 ようか』


 体育の先生の名前。


 じゃあ、体育教師代行したあいつは一体、誰?

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