貴方へ

加賀宮カヲ

寒くなってきました

今日は天気が悪い。


身体が悲鳴を上げているのに、それよりも怖いのは暗闇。


ふと、このままアクセルを踏み込めば……などと考えてしまう。


貴方は、まだとても暑かった時に逝きましたね。


これからお鍋の季節です。

私、お鍋の素が苦手で。

貴方は『だから、美味しい鍋が食べられる』って笑ってた。


一人分のお鍋なんて、素から作れない。

今年から、鍋の素に挑戦です。


弱音を吐けば吐くほど、腫れ物になっていく気がします。

でも、それでも良いかなあって思うんです。未練なく、後を追えるじゃないですか。


私は弱い。

自己肯定感なんて、木っ端微塵で欠片もないですよ。


それなのに、強く見られてしまうのは何故ですか。


話し方ですか。

涙を人前で流さないからですか。

可愛げがないからですか。


貴方の死で、気持ちよくなってる人だけは許せません。

あの時、私がどれだけのパニックを起こしていたか、分からない人たち。


こういう人たちは、どこまでも自分が可愛いんだろうなあ、と離人を起こしながらぼんやり眺めていました。


やれる事は全てやった。


でも、逝っちゃった。


私を理解してくれたのは、貴方だけでした。

貴方も逝く前日まで、そう言ってくれてたじゃないですか。


貴方に会いたい。

一緒にお鍋食べたいよ。


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