貴方へ
加賀宮カヲ
寒くなってきました
今日は天気が悪い。
身体が悲鳴を上げているのに、それよりも怖いのは暗闇。
ふと、このままアクセルを踏み込めば……などと考えてしまう。
貴方は、まだとても暑かった時に逝きましたね。
これからお鍋の季節です。
私、お鍋の素が苦手で。
貴方は『だから、美味しい鍋が食べられる』って笑ってた。
一人分のお鍋なんて、素から作れない。
今年から、鍋の素に挑戦です。
弱音を吐けば吐くほど、腫れ物になっていく気がします。
でも、それでも良いかなあって思うんです。未練なく、後を追えるじゃないですか。
私は弱い。
自己肯定感なんて、木っ端微塵で欠片もないですよ。
それなのに、強く見られてしまうのは何故ですか。
話し方ですか。
涙を人前で流さないからですか。
可愛げがないからですか。
貴方の死で、気持ちよくなってる人だけは許せません。
あの時、私がどれだけのパニックを起こしていたか、分からない人たち。
こういう人たちは、どこまでも自分が可愛いんだろうなあ、と離人を起こしながらぼんやり眺めていました。
やれる事は全てやった。
でも、逝っちゃった。
私を理解してくれたのは、貴方だけでした。
貴方も逝く前日まで、そう言ってくれてたじゃないですか。
貴方に会いたい。
一緒にお鍋食べたいよ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます