第0章
第1話 神の世界と始まり
私は生まれた時から好奇心旺盛とよく言われてきた。
人がサッカーをやっているところを見かけたら練習したいと親にお願いして、テレビでコンサートをやっているところをみたら楽器を習いたいと親に言っていた。
スポーツや楽器だけではなく、ラップ、キックボード、パソコン、ゲーム、できることには全て手を出してきた。
本屋に行って初めて本を読んだ時は、こんなに面白いものがあるんだと驚き、他にもどんな物語があるのか知りたいと思って月に3桁以上の本を読んでいた。
そのせいで元々かなり裕福だった私の家はかなり貧乏になったが、それでも親は私が欲しいものはなんでもくれた。
しかし、勉強だけはからっきりでかなりの馬鹿だった。
私の周りに人が集まってきたおかげでなんとか落ちこぼれずに済んだ。
本当に今思えば、私は周りの人に恵まれていたし、私の人生は満たされていたと思う。
しかし、足りないものが一つあった。
それは時間だ。
私は吸収が早い方だったため、他の人よりか上達するのが早かったが、全てことに手を出していたため、全部中途半端な状態になってしまった。
全てスポーツや楽器はプロレベルまでなりたかったが、結局は高校の大会で県大会レベルまでだ。
全国レベルまで行ったのも数個しかなかった。
もちろん、それを埋めるために寝る時間も削って、プロレベルまで全部上達できるように頑張った。
しかし、ある習い事の帰り道に私は背中を押されて車道に飛び出し、車に轢かれて死んでしまった。
高校生の時だった。
最初に目を覚ました時はかなり驚いたのを覚えている。
知らない天井に動かなくなった体、そして私の隣に座っていたやさしそうなおじいさん。
私は体は動かせなかったもののしゃべることはできたので、そのお爺さんにいろいろ聞いた。
質問攻めにした結果、分かったことはそのおじいさんは私の祖父にあたり、私はたくさんの世界を管理している、いわゆる神の子供として生まれたらしい。
神というのはいくつもの世界を作り、管理している存在。
神にはそれぞれの強い能力があり、それによって◯◯の神と二つ名がつけられ、する仕事が変わるそう。
私も何がすごい能力があるかもとワクワクして聞いたが、教えてくれなかった。
そして、私が一番聞いて喜んだのは神には寿命がないということだ。
それは不死ではないが不老だということを意味していた。
つまり、人間の時みたいに中途半端で終わることがなく、やりたいことを好きなだけやることができる。
殺されでもしない限り、永遠に極められるということだ。
しかも、神は魔術が使えるらしい。
私は昔から異世界系のラノベを読んでずっと憧れていたのだ。
その魔術を使えるというのは私にとって寿命がないことの次に嬉しいことだった。
そして私は自称最強魔法使いと名乗り出したおじいちゃんに魔法を教えてもらうように約束したのだが、それから5年後に亡くなってしまった。
それからは色々あったのを覚えている。
動けるようになってから、武術の神、魔術の神に会いに行った。
もちろん、武術と魔術を鍛えるためだ。
しかし、門前払いされてしまった。
それは私が邪神と呼ばれているかららしい。
なぜ、私が邪神と呼ばれているのかはわからないがそんなことはどうでもいい。
問題なのは指南をつけてもらえないことだ。
しょうがないので私はまずは基礎体力と人間だった時に本で読んだ剣術、武術をもとに練習することにした。
そんなこんなで100年が経った。
生まれてから、100年経つと300年間の学校があるそうだ。
神様になると寿命がないからか、時間の感覚がおかしくなる。
もちろん学校がある時でも、修行は欠かさなかったし、授業で魔術はならうことができるためそれを応用して学校でトップレベルの成績を毎回出せるようになった。
もちろん、邪神といじめられることもあったが、そんなことは私からしたらどうでもいいし、友達もできたためそういう幼稚ないじめは減っていった。
そんなある日、授業であることがわかった。
それは神が管理している世界で二つだけうまく栄えている星があるということだ。
1つは魔法という概念が存在せず科学で発展していった地球だ。
もう一つは科学ではなく魔法で発展していった星だ。
その世界では魔法が溢れ、いくつかの国が統治しており、冒険者という人が魔物を討伐するというまるで小説で何度も見たことがあるかのような星だった。
私はそれを聞いて、その星に行って冒険をしたいと思うようになった。
友達にも相談した。
この星に行きたいと。
しかし、管理している星に行くのは神託を行う神以外は御法度らしい。
さらに神託を行う神はかなり上の能力者じゃないと無理らしく私には希望がなかった。
そんな中、友達の1人がこう提案した。
「どうしても行きたいなら、法律なんて破って行けばいいじゃない?」
私はその言葉を聞いて、確かにと思った。
それしか方法がないなら、そうすればいい。
しかし、法律を破ったら、もちろん死刑だ。
だから、捕まらないように今まで以上に強くならなくてはいけない。
神は体の成長が止まるのは1000年、能力の成長が止まるのが1万年と言われている。
それまでに誰にも負けないくらい成長して、1万歳の誕生日にあの星に降りようと決めたのだった。
そう決めてからは簡単だ。ただ、誰にも負けないように努力すればいい。
そして、卒業して9600年後。
私は誰にも負けないくらい強くなった。
主神級の神にも負けない。
絶対に手を出してはいけない神の1人となった。
しかし、今度は別の問題が出てきてしまった。
それは強すぎて冒険どころか多分最強の生物相手でさえ余裕になってしまったことだ。
これじゃ、危険が迫って、仲間と助け合ってという冒険らしい冒険ができない。
そこで私は冒険の神となった友達に相談することにした。
冒険の神とは主にダンジョンの数、出現する魔物やお宝を管理している神だ。
すると、冒険の神は私のスキルと力をダンジョンコアに封印して、攻略したら解放するようにしてくれた。
それなれば、あとは体を作るだけだ。
もちろん体を作るというのは鍛えるという意味ではない。
地上で憑依する体を作るということだ。
神の体で星に降りては周りの人への悪影響が大きいのだ。
だから、星に降りる時は信託の時でさえ依代が必須らしい。
ゴーレムのように金や土で体を作っても良かったが、それではあまりに面白くないなと思い、ちゃんと人間の体を作ってもらった。
もちろん、女の子で動きやすいように胸は小さくし、冒険者になれる12歳を超える見た目にしてもらった。
そして、地図、鏡など、必要なものを【アイテムボックス】に入れて、1万歳の誕生日を迎えたと同時に私はその体へと憑依したのだった。
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