第二十二話 ツーショット

 愛する人のスマホの待ち受けはその人の愛した人、ジュリの寝顔。

 その写真を撮れるのも彼だけだし2人は一晩を共に過ごせる、そういうことだ。

 僕も本当に愛する人がいるのに他に愛する人を作って。

 その愛する人の愛する人の寝顔の待受に不貞腐れる。

 悔しくて僕の待受は李仁とのツーショット写真にした。


 ※※※


 その待ち受けはこないだ李仁とセックスして次の日の朝、寝起きの李仁と顔をくっつけて自撮りしたやつ。

 寝ぼけた李仁の顔が可愛かった。互いに寝癖ついてたけど僕と李仁の首元に愛し合ってつけたキスマークも。

 まぁ他人がちらっと見たら2人の男が顔を合わせて写ってるだけ、と思うけどまじまじと見たらベッドで撮ってるから……そういう関係か、だなんて思うだろう。

 まぁ僕のスマホの待受見る人は少ないだろう。


 李仁は? 少し前は夜景の時に撮ったツーショット。


 覗かせると覗く僕に気づいた李仁が見せてくれた。

 僕は赤面した。いつのまにか変わってるし、それを待ち受けにしてたとは。


 その待ち受けの写真は……


 洗面台で撮った鏡に映った僕ら。前とは違ってる。

 2人とも上半身裸で僕の後ろにスマートフォンで撮影する李仁。


 なんでこの写真を待ち受けに……恥ずかしいよ。いくらメニューのアイコンたちに隠れていても僕の悶えてるなんとも言えない顔が……。


 こないだ洗面台でセックスして……李仁がスマホを持ってたから……動画撮られて……その一部を壁紙にしたのか。


 李仁の気持ちよさそうな顔はセクシーだ。その顔だけ切り取りたい。


 僕の顔がなんか間抜けで……。


 ああ、こんなツーショット嫌だよぉ。


「私はこれがいいのよ、ミナくんと一緒に幸せ共有した瞬間なんだから……」


 ああ、もう……バカバカバカ!

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