第7話 次回から本気出す
アクセス数はまたゼロの日が数日続いた。アランはどこかホッとしてる。何も悪くないのに責められた日々がリセットされたということだ。
キラ☆キラカセットドラゴンというあだ名も付けられていることを知っている。一回だけなのにまるで常習犯の変態みたいな言われようだ。
カセットとキラ☆キラ衣装はやめよう。ドラゴンでの爽快な空の旅も動画にいれるのはやめよう。人目につかない経路で飛んで、着いたらいったんドラゴンを帰らせてから配信開始にしよう。
キラキラ衣装は本来魔除けだ。気配を消しているのに遠くから見つかり次第モンスターがカサコソと逃げ隠れてバトルにならないアランにとっては過剰装備だ。
むしろ近づきやすい愉快で気軽な格好が良い。ピエロとかサンタクロースとか。顔ペイントがいるピエロは閾が高いな。やはりここはサンタクロースの格好で行こう。
これでモンスターも恐れずに出てきてくれるかもしれない。
カセットが駄目なら先輩配信者たちはどうやって音楽や効果音を入れているんだろう?
検索エンジンで調べてみると、サンプラーという便利なガジェットがあるらしい。なるほど〜。
それではサンプラーをゲットしようとサンプラーについて勉強する。フェアライトCMIとかシンクラビアというのが評判が良いらしいが高くて買えない。
それに重そうだし電源の確保も大変だ。電池式あるいは電池から供給出来るACアダプタ式のでないとな。
結局ケータイもう一台使うのが一番合理的だとわかり、機種変前の通信できなくなったケータイを取り出す。
配信で使うための効果音をサンプラー用ケータイに吹き込もう。まずは適当に弾き語りして全部録ってから切り出そう。
画面に表示される赤いボタンを押してリズムボックスをバッキングにギター弾き語りを熱唱する。3時間半に渡る演奏を終え、停止ボタンを押したとき、なにか画面に違和感があった。
………ヤバい、これ配信用ケータイで、配信してたみたい。
こんなのノーカンだノーカン!
次回から本気出す。
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