名禮翫家の使用人

第？話 使用人サソリからの挨拶

　嫌な気持ちになった時、何を感じますか？

　怒り、悲しみ、殺意、嫉妬、憎悪、絶念。　

　何を一番最初に思いつきましたか？

　人生で一番辛い時の記憶は何ですか？

　いじめられていた学生時代。意地悪な上司からの嫌がらせ。安い給料で休みなく働いた時。友達や愛する人に裏切られた時。殴られたり、乱暴をされた時。親が離婚した時。大切な家族や友人、恋人が死んだ時。治らない病気に罹った時。

　何を一番最初に思いつきましたか？

　俺は何を思い出すだろう。色々ありすぎて、直ぐには答えが出なさそうです。

　そうだ、暗い話題は一旦置いておきましょう。

　幸せな気持ちになった時、何を感じますか？　

　人生で一番楽しかった事は何ですか？

　俺は沢山ありますよ。

　りんのすけ様の笑顔を見た時。綺麗な景色を見た時。楽しくお喋りしてる時も、漫画を読んでいる時も全部幸せで、全部楽しい。

　温かいベッドで寝るのも最高ですよね。

　何も考えずに、何も起こらずに、平坦な道を歩くだけの人生なんて、無い様に思えます。

　どんなに不幸に見える人も、どんなに幸せそうに見える人も、善人も悪人も、全員。嫌な事と幸せな事は等しく訪れるのではないかと、考えます。

　当事者にしか、経験者にしか、その辛さや幸福度は分かりません。

　こっちのが辛かった！とか、こっちのが大変だった！とか、辛い感情だと競いたくなる人が多くなるのは何でですかね？

　どんな経験も、辛かったら辛いんですよ。それに大きいも小さいも無いですよ。

　偉そうに不幸自慢する必要なんて、絶対に無いです。

　幸せ自慢をしましょうよ。妬み嫉みは無しにして。

　素敵だね。良かったね。って笑顔で讃え合って、心の良循環をさせましょうよ。

　今、辛くて、立ち上がれない人もいると思います。眠れない人、他人と上手く関われない人、生き辛さを感じる人もいると思います。

　頑張れって言葉が、辛くて憎いと感じたら、きっと貴方は今とても辛いのかも知れないです。疲れているのかも知れないです。

　もう頑張らなくて良いんですよ。

　生きているだけで、偉いんですよ。

　自分を虐めないで下さい。甘やかして下さい。

　好きなもの食べて、好きなもの買って、好きなもの観て、好きな時間に寝て、好きな場所に行きましょう。

　俺は、あんまり美味しいとか不味いとかよく分からないんで、おすすめの食べ物とかは教えられないんですけどね。あはは。

　富士山、綺麗でしたよ。日本一って言うだけのことはありますね。

　りんのすけ様の家に行くたびに、つい見惚れてしまいます。神々しさがあるんですかね。ドッシリと静かに佇む富士山に、かっこよさも感じます。

　夕陽で紫色に染まった富士山は幻想的でした。

　もし機会があったら、是非見て欲しいです。

　ついでに、温泉に入ってリフレッシュして下さいね。

　これから始まるお話は、俺の小さい頃から始まります。

　明るく楽しいお話では無いので、そこだけ注意してくださいね。

　暗くて、重くて、ドロドロとした嫌な気持ちにさせてしまうかも知れません。

　俺の未熟さにイライラしてしまうかも知れません。

　温かい目で見守ってくれたら嬉しいです。

　それでは、始まります。

　「名禮翫家（みょうれいかんけ）の使用人」

　俺の物語を、刮目せよ！

　なんちって。

今夜第一話投稿します！