人物紹介:探索者編-五章まで(※ネタバレ注意)

【世界探索者協会】

 通称ギルドの名で知られる探索者を管理するために組織された団体。

 探索者とはダンジョンでスキルに覚醒した人々の総称で、ダンジョンに入る際には探索者の登録が必要となる。ランクは下からE、D、C、B、A、Sの六段階で設定されていて、Cランクはベテランの探索者として扱われ、Bランク以上の高ランク探索者は全体の数パーセントしか存在しないと言われている。

 Aランク以上はほぼユニークスキル持ちで、Sランクに至っては世界に五人しかいない特別な存在。それもそのはずでBランクでも戦車や戦闘機と言った近代兵器を凌駕する力を持ち、Sランクに至っては大国の軍隊と一人で渡り合えるほどの力があると言われている。そのため、高ランクの探索者は国の許可なく国外への渡航が制限されている。

 しかし最低のEランクでもスキルを持たない一般人よりも遥かに強い力を持つことから、罪を犯した探索者の取り締まりも各国の治安組織と連携してギルドが行っている。

 各国から選出された理事とギルドマスターによって組織は運営されており本部はアメリカにあるが、代表理事はグリーンランド自治州から滅多に動くことがなく、これには政治的な事情が絡んでいるらしい。



【Sランク探索者】


・アレックス・テイラー

 軍神の二つ名を持つ、世界に五人しかいないSランク探索者の一人。椎名からは『ダンディさん』と呼ばれているように身形には気を配っている様子で、常にきっちりとしたスーツを身に付けていて貫禄のある佇まいをしている。

 アメリカに出現したダンジョンの〈帰還者〉の一人であり、戦場にいる味方の能力を強化するだけでなく、味方の数に応じて自身の身体能力を強化するユニークスキル〈軍神マルス〉を使いこなす。

 現在はギルドの理事を務めているが、以前は大統領をしていた経験もあり、アメリカ国内では英雄のような扱いを受けている。

 いまは楽園との交渉を任され、現職の大統領や政府の相談を受けることが多くなっているようだ。いろいろと規格外なSランクのなかで唯一の常識人であり、それだけに苦労の絶えない人物とも言える。


・アレクサンドル(ミハイル)

 サンクトペテルブルクを拠点に活動するロシアのSランク探索者。

 ユニークスキルは〈黒い神チェルノボーグ〉――妹のサーシャの説明のところでも少し触れたが、彼は〈魂の監獄〉に捕らえた亡者を使役することが出来る。不死者の軍団を統べる皇帝。それが、アレクサンドルの能力だ。

 奥の手として自分の身体に神を降ろし、悪神そのものと化すことも出来るが、結局は力を制御しきれずに魔力暴走を引き起こした。その後、椎名が魔力暴走を食い止めることで一命を取り留めたが、現在はこの能力を失っており、表向きには死亡した扱いになっている。

 凡そ三十年ほど前にダンジョンの利権を巡るマフィアの抗争で妹を亡くし、復讐を誓って名前をアレクサンドルへと変えた。

 妹の名はアレクサンドラ。サーシャはアレクサンドラの愛称。

 目的は妹を殺したマフィアや社会への復讐だと考えられていたが、彼なりに考えがあっての行動だったようで自身が恐怖の象徴として君臨することによってダンジョンを巡る争いに終止符を打ち、妹のような犠牲者を防ぐ思惑があったようだ。 


・クロエ

 イギリスを代表するSランク探索者。

 クラン〈円卓〉の団長にして〈剣聖〉の二つ名で知られる欧州の英雄。二つ名からも分かるように、戦闘スタイルは剣を使った接近戦を得意としている。年齢は二十八歳(五章時点)と大人の女性なのに対して、容姿は金髪碧眼の白人美少女と人形の小さく可愛いことから〈小公女〉と一部界隈では呼ばれているようだ。

 ダンジョンを新たな開拓地、神の恩寵だと考える人々がいる一方でダンジョンを危険視し、モンスターから人々を守ることを使命としている。しかし、その裏には母親の失踪と親友との約束があった。

 彼女のユニークスキル〈英雄の導き手バイヴカハ〉は三つの願いを叶えてくれる特殊なスキルで、彼女はその能力で世界最強の絶大な魔力。病気や怪我に悩まされない健康な身体。ずっと憧れていた英雄ヒーローの武器を与えられ、世界に五人しかいないSランクにまで登り詰めた。

 ただ、このスキルにも欠点はあり、自分の意志で願いをキャンセルできない上、叶えられる願いは自分にしか影響を与えることが出来ないという制約がある。他人に直接影響を与えるような願い事は叶えられないと言うことだ。

 現在〈英雄の導き手バイヴカハ〉の願いは解除されている状態で、オルトリンデとの再戦を見越して慎重に願い事を吟味しているようだ。


劉玄リューシュアン

 神君の二つ名で知られる中国のSランク探索者。

 赤いシャツに黒いジーンズ。ボサボサとした癖の強い髪型。丸いサングラスをかけていることから、椎名からはヤクザ者と思われているが間違いとも言えない。と言うのも彼の生家である劉家は侠客で、古くから香港の街を裏から支配してきた一族だからだ。

 そして、いまや彼は劉家の当主であり、ダンジョンに造られた街のトップに君臨している。部下たちからは『老大』と呼ばれ、面倒見が良いことから探索者だけでなく生まれ育った街の人々にも慕われているらしい。

 所持しているユニークスキルは現在のところ不明だが、クロエと近接戦闘で互角に渡り合える実力者と言うことで、恐らくは近接戦闘に優れたスキルを所持しているのではないかと思われる。


・シャミーナ

 エジプトを代表するSランク探索者。二つ名は〈聖女〉。

 世界最大の規模を誇る〈教団〉と呼ばれるクランの代表も務めている。

 褐色の肌に長く艶やかな黒髪が特徴で、クレオパトラの再来と言われる美女ではあるが〈魔導具狂い〉と呼ばれるほどの変人でもあり、〈楽園の主〉を神と称して崇拝している。

 教団を設立したのも〈楽園の主〉の偉功を称え、偉業を広めるためで〈黄昏の錬金術師〉の二つ名がこれほど広まったのも、彼女の仕業であるとかないとか。能力は不明だが、クロエにとっては天敵と言える相手らしい。

 現在は月面都市でギルドマスターをしているそうだが――



【日本の探索者】


・八重坂朝陽(やえざか・あさひ)

 日本のAランク探索者。イギリスで最年少のAランク探索者が現れるまでは、世界最速のAランク到達記録を持っていた。と言っても記録を塗り替えられたことを本人は気にしていない様子。椎名が『ギャル』と呼称しているように明るい髪をサイドで結い、カジュアルなファションを好んでいる。

 二つ名は〈戦乙女〉。一部界隈で〈神槍〉とも呼ばれているようだ。

 現在は〈トワイライト〉に所属する企業探索者で、世界有数の探索者として雑誌に紹介されるほどの実力者に成長している。ユニークスキルは〈天照アマテラス〉で炎を操ることに長けているが、いまだ完全に使いこなすには至っていない。


・八重坂夕陽(やえざか・ゆうひ)

 八重坂朝陽の妹で、日本の探索者学校に通う高校一年生。

 探索者の資格はまだ所持していないが、既にスキルには覚醒している。

 椎名がはじめて取った弟子で、彼女のユニークスキル〈魔女神キルケー〉は魔法薬の調合に長け、〈トワイライト〉を通してギルドに回復薬を卸すほどの腕前を持つ。探索者たちの間で〈黄昏の薬神〉の二つ名が広まりつつあるが、学校ではそのことを秘密にしている。

 なお、レミルと仲が良く、同じ学校に通っているそうだ。


・南雲一色(なぐも・いっしき)

 勇者の二つ名を持つAランク探索者。生前のシオンの弟。

 ユニークスキル〈須佐之男スサノオ〉を宿し、暴風を操るだけでなくスキルを無効化する能力を持つ。

 朝陽がAランクに昇格するときに戦った試験の相手で、原作では暴走しがちで余り目立った活躍のない彼だが、国内トップクラスの実力と実績を持つことは間違いない。そのため、日本国内の人気は高く、特に女性のファンが多いことで知られている。


・東大寺仁(とうだいじ・じん)

 怪力無双の二つ名を持つ日本のAランク探索者。

 ユニークスキル〈金剛力士ヴァジュラパーニ〉を使うことで二つ名にあるような怪力を得るだけでなく、鋼鉄のような肉体と高い状態異常耐性を兼ね備える。頑丈さに定評のある探索者で、その能力を活かしてギルドからの依頼で警察に協力して犯罪者の取り締まりなどでも活躍している。

 見た目はスキンヘッドの大男と怖そうなのだが、子供からの人気が高いらしい。


・月宮冬也

 氷帝の二つ名を持つ日本のAランク探索者。

 氷結系最強のユニークスキル〈月夜見ツクヨミ〉の使い手で冷気を操るだけでなく、自分の周囲の時間を停止させることも出来る。白いスーツにインテリ風の眼鏡を愛用しており、現在は大学を卒業してクランの運営に励んでいるようだ。


・一文字鉄雄

 国内最大の生産クラン〈迦具土〉のリーダーで、都内に十階建ての大きなビルを所有している。筋骨隆々な逞しい肉体をしており、髪はないがドワーフのようなふさふさした顎髭が特徴の老人。

 ダンジョンに取り込まれながらも生還した帰還者の一人で、探索者になる前は刀鍛冶をしていた経歴を持つ。いまは国内最高峰の魔導具技師の証である〈特級〉技師の称号を持ち、クランの名にもなっているユニークスキル〈火之迦具土ヒノカグツチ〉の覚醒者でもある。

 朝陽の祖母とは古くからの友人で、朝陽の装備を仕立てた人物。後進の育成に力を注いでいて以前は魔法工学で有名な大学に名誉教授として籍を置いていたのだが、いまは新設された探索者学校の理事長を務めている。


・雷帝

 名前は不明だが、数少ない日本のユニークスキル持ちの一人。

 頭を金髪に染めていて派手な装いで見た目はチンピラのようだが、国内屈指の実力者。雷を操ることから〈雷帝〉の異名で呼ばれている。そのうち出番はあるかもしれない。


・女帝

 黒いドレスに身を包んだ黒髪の美女。

 数少ない日本のユニークスキル持ちの一人で、国内最大手のクランのマスター。

 原作では、まだ名前も一切不明だが〈女帝〉と呼ばれているらしい。

 裏社会との繋がりがあるとの噂だが――



【中国の探索者】


ファン如意ルイ

 中国のAランク探索者。若手を代表する探索者の一人で、僅か一ヶ月の差で最年少のAランク探索者の記録を朝陽に塗り替えられたことから、彼女をライバル視している。

 シュアンを深く尊敬しており、彼のような探索者になることが目標。


麗華リーファ

 中国のAランク探索者。シュアンやルイと一緒に月面都市を訪れた代表団の一人で、魔力視の力を持った〈魔眼〉で〈楽園の主〉とその周りにいるメイドたちの力を目にしてから、楽園に対して強い恐怖心と苦手意識を持っている。



【円卓】

 世界に五人しかいないSランクの団長を筆頭に〈十二の騎士ナンバーズ〉と総勢二百の騎士からなる欧州を代表するクラン。〈人類の守護者〉や現代の〈アルゴノート〉などとも呼ばれており、人々から英雄視されていて欧州では非常に高い人気を誇っている。

 ただ、その実体は副長を筆頭に団長ラブの団員が多く、クロエちゃんファンクラブを兼ねているとかなんとか……。 


・第二席 オリヴィア・レッドグレイヴ

 円卓の副長にして、クロエの親友。クランの創設メンバーの一人。

 彼女が発起人となって現在の〈円卓〉が創設された。なお、彼女の実家であるレッドグレイヴ家はイギリス経済を裏から支えてきた大貴族で、〈トワイライト〉が海外進出するまでは欧州のダンジョン市場を席巻していた。

 ユニークスキルは〈輪廻の女神パールヴァティ〉――才能を持たぬものに才を与えるスキル。ただし、その発動条件は死を体験すること。オリヴィアが諦めない限り〈輪廻の女神パールヴァティ〉は彼女を生かし続け、蘇りを体験する度に新たな才を授けてくれる。強力なスキルではあるが、対象がユニークスキルの場合は能力の一部しかコピーできないなど制限がある。

 クロエと同様にダンジョンで両親が行方不明となっており、両親を捜すために探索者となった。


・第三席 ヴァレンチーナ

 赤の大鬼レッドオーガの二つ名を持つイギリスのAランク探索者。

 百九十センチを超える身長に鋼のように鍛え上げられた肉体が特徴で、皇帝亡きあとSランクに最も近い探索者として注目を集めていたが、五人目のSランク探索者が誕生したことで脚光を浴びることはなかった。

 とはいえ、その実力は本物で並のAランクでは太刀打ちできない、Sランクに迫るほどの実力の持ち主。彼女のユニークスキル〈竜殺しの英雄ジークフリート〉は不死身の肉体を術者に与え、魔力と身体能力を何倍にも強化するというシンプルなものだが、それ故に強力で対策が難しい。

 奥の手である必殺の一撃〈悪竜を滅する光の剣バルムンク〉はスキルによって極限まで強化した魔力を放つもので、炎の大精霊をも斬り裂く力を持つ。

 なお、小さくて可愛いものが好きで、クロエとの決闘で敗れて〈円卓〉に入ったと思われているが、実際には団長ラブの特攻隊長だったりする。


・第四席 デニス

 なによりも規律を重んじることから〈鉄の男〉と呼ばれている。

 黒光りする筋骨隆々な身体が特徴の騎士で、総合格闘技の元チャンピオンだけあって肉体を駆使した格闘技を得意としている。

 ユニークスキルは〈法と秩序の女神ユースティティア〉。周囲の景色を中世のコロシアムへと変化させ、その空間内では武器や魔導具の使用が一切できなくなる。五分の条件に持ち込むことで、自身の肉体と技術で相手を圧倒するのがデニスの戦い方。

 しかし、ガブリエルとの戦いで死亡。現在、第四席は空席となっている。


・第五席 ブラッド

 オリヴィアの両親とパーティーを組んでいたこともある歴戦の探索者。

 ランクはAでユニークスキル〈裏切りの魔剣士ディルムッド〉によって〈小なる激情ベガルタ〉〈大なる激情モラルタ〉という二本の魔剣を召喚して戦う。〈円卓〉に所属していながらレッドグレイヴ家に雇われていることからスパイであることを疑われていたが、嘗ての仲間の忘れ形見(オリヴィア)を密かに守るためにレッドグレイヴ家当主に従っているフリをしていた。

 しかし、ガブリエルの策に嵌まって魔力暴走を引き起こし、モンスター化。椎名の〈全は一ワンイズオール〉の光を浴びて人間の姿に戻り一命を取り留めたが、いまは病院で治療を受けている。


・第六席 モニカ

 銀色に輝く長い髪にアルビノの瞳。陶器のように白い肌。探索者とは思えないほど華奢な身体が特徴の女性。非常に珍しい解析系のユニークスキル〈昏き知恵の女神メティス〉を所持しており、目で見た相手の能力値を測定したり、魔導具の効果を確認することも可能。非常に重宝される能力で、ギルドや企業の指名依頼を受けることが多い。

 ただ、能力が強すぎるために相手の心まで読んでしまう問題があり、その所為で〈円卓〉に入るまでは同じ探索者からも避けられ、パーティーを組むことが出来ずにいた。

 そのため、自分を受け入れてくれたクロエとオリヴィアに深く感謝しており、〈円卓〉を自分の居場所と位置付けている。


・第七席 ローズ

 フランス出身のAランク探索者で、プロのモデルをしている。亜麻色の髪と抜群のプロポーションが特徴で、探索者をはじめた切っ掛けはモデルの肉体作りだったのだが、いまではどちらが本業か分からないくらい有名な探索者となった。〈円卓〉に入った切っ掛けはクロエに一目惚れしたから。

 可愛いものに目がなく、それもあってか意外とヴァレンチーナと気が合うらしく、いがみ合っているように見えるが、休日を一緒に過ごすくらいには仲が良い。

 ユニークスキルは〈虹色の神言イーリス〉という言霊を操るスキルで、言葉に魔力を乗せることで対象を従わせたり様々な現象を引き起こすことが出来る。


・第八席 クリステル

 長い黒髪とアジア風の顔立ちが特徴の女性で、日本人の母親を持つ日系のイギリス人。探索者ランクはAで、複合型のなかでも特に多彩と呼ばれるユニークスキル〈十の顔を持つ軍神ウルスラグナ〉を宿している。

 十二の化身を操ることで状況や相手にあわせた多種多少な戦い方を得意とし、そのため〈十二の騎士ナンバーズ〉を選出する試験では、彼女が試験の相手を務めることが多い。クラン結成前にオリヴィアやクロエとパーティーを組んでいた仲間でもあり、〈円卓〉創設の初期メンバーの一人。


・第九席 ガブリエル

 明るいエメラルドグリーンの髪にピンクのメッシュをいれた派手な容姿の男。

 見た目は派手で不真面目そうに見えるが、オリヴィア曰く〈円卓会議〉を一度も欠席したことがないほど真面目な団員だった模様。しかし、その正体は魔術結社〈北の狼フェンリル〉の使徒で、椎名が過去の世界で殺した熾天使の一角だった。

 殺した相手のスキルを奪うという特殊能力を所持しており、デニスの能力を奪うことに成功するもののスカジに追い詰められ、撤退を選択。しかし逃げた先に椎名が待ち伏せていたことで〈全は一ワンイズオール〉の餌食となり、死亡した……と思われている。

 実際のところ死亡を確認した訳ではないので、生死は不明。


・第十席 カトル

 双子の探索者で、第十一席のポルクスは弟。

 身長は百六十センチほどで茶色がかった金髪に青い瞳が特徴。弟のポルクスとは見た目がそっくりで、服の色や腰に提げた剣が左右対称になっている以外に違いはなく見分ける手段がない。

 召喚系のユニークスキル〈魔術神の精霊目録ソロモン・グリモワール〉を所持しており、彼一人では中位の精霊を呼び出すのがやっとだが、弟の力を借りることで大精霊イフリートを召喚することが可能。口癖は「弟よ」


・第十一席 ポルクス

 双子の探索者で、第十席のカトルは兄。

 ユニークスキル〈神を欺く智慧者プロメテウス〉を所持し、〈魔力同調〉の上位スキルとも呼べる能力で魔力を同調させた他人のスキルを強化したり、その使用権を奪うことが出来る。兄との相性は抜群で、二人の力を合わせることで大精霊イフリートを召喚することが可能。口癖は「兄さん」


・第十二席 ウェイン

 日本の八重坂朝陽が作った記録を大きく塗り替え、世界最年少のAランク探索者になった青年。しかし、そこには政治的な思惑や事情が絡んでおり、本人は納得していない模様。とはいえ、実力は確かで視界に入れたものの時間を停止する魔眼と、攻撃を跳ね返す鏡の盾〈アイギス〉を使いこなす。

 ユニークスキルの名は〈神盾の勇者ペルセウス〉。第十二席という立場ではあるが、実力的には他の〈十二の騎士ナンバーズ〉に見劣りする訳ではなく、経験不足を理由に末席を与えられている。



【その他】

・エミリア・コールフィールド

 過去の世界で椎名が出会った〈精霊の一族〉出身の女性で、楽園の魔法学院で臨時講師をしていた。その正体は、巫女姫の後継者。セレスティアを除くと世界で唯一〈星詠み〉を使える適格者で、未来を視ることが出来る。

 父親は〈青き国〉の長老筆頭で、イスリアという妹がいる。なお、作中で登場した〈フォルメウス〉というのは家名ではなく部族名。〈精霊の一族〉には家名を持つ習慣がないことから、代わりに部族名を名乗ることが通例となっている。

 コールフィールドは現代の地球に跳ばされた際、お世話になった人の名字を譲り受けたもの。椎名から貰った指輪(黄金の祝福)を大事にしており、いま最もヒロインをしているのは彼女で間違いないだろう。


・シキ

 黒髪に巫女服と日本人のような出で立ちをしているが、正体は異世界人。

 エミリアと同様、椎名が過去の世界で出会った〈精霊の一族〉出身の女性。

 セレスティアに仕える巫女の長で、影を操る能力を持つ。

 現在はエミリアの秘書兼護衛として活躍中で、探索者たちから恐れられているとか。実はクロエに手解きをしたこともあり、公式にはAランクとなっているがSランク級の力があるのではないかと疑われている。

 なお、彼女も椎名から貰った腕輪を大切にしており、密かに想いを寄せている節がある。


・ヴィクトル

 サンクトペテルブルクのギルドマスター。

 二百年の歴史を持つマフィアのボスでもあり、サーシャの死と深く関係している人物。裏社会の人間ではあるが、義理と人情に厚い人物でサーシャの死に責任を感じ、ずっとミハイルのことを気に掛けていた。

 アレクサンドルの正体がミハイルだと分かったあとも彼を気に掛ける素振りを見せ、皇帝の死を偽装した人物でもある。

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