第19話 新しいビタミン療法
迷宮の奥に進んでいった先に、集落があった。ロザが村役場に向かうと、村長が出てきて礼をする。
「領主さま。はるばるこのような僻地までようこそおいでくださいました。新しいビタミン療法により村人の健康状態も回復し、この迷宮の中でも球根栽培法で食糧の生産が出来ることが証明されました。」
報告を受けロザは非常に満足な様子で、一行が作戦を練るアジト……もとい公民館の集会所を当分の間借りる約束を取り付け、この集落から強欲帝国資本主義に乗っ取られた獣人集落を解放する同志をスカウトして、獣人集落の外部から電撃的に政府転覆を図るパルチザンをオルグする算段だ。
ずっと留守していた領地にどのような人材がいるのかを踏まえ、革命後に国民戦線政府の運営指導が出来る人選を行うことが必要なので、村長を呼びつけてヒアリングを行う。
「仕上がり具合はどうかしら?」
「はい。革命指導部隊、暫定臨時政府運営要員、戦闘員すべて完全な士気に出来上がっております。今にも革命を輸出したくてウズウズしております。今こそ号令を!」
「しばし待たれよ。欧州列強傀儡の資本主義の手先メガネザル3世の政府運営と、癒着した政商など、そしてどのように革命の土壌を醸成して、どの時点で革命するかを説明するから、まずは落ち着いてテーゼを批判し、より高位の確実なジンテーゼを作り実行する。うずうずして待て暫しなく革命を輸出するのは極左冒険主義のトロツキストのやることよ。」
えっ?この人たち自身が極左冒険主義者だとばかり思ってたけど、自分たちは違うという意識なんだ……とイアンは心のなかで静かに、しかし盛大にツッコんだ。
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