爆発する小包

草加八幡次郎ボロ家@リア充爆発しろ

第1話 ハイジャック

「アンケートお願いしま〜す」

よくある怪しげな勧誘などで街で見る「アンケート(笑)」などではない。ここは機内。そして絶賛ハイジャック中だ。そしてこのアンケートはハイジャック犯行グループから人質に配布されている。

 白々しい。俺たちは用事があって乗合飛行魔道具に乗ってるんだよ。文明発祥の地だかなんだかしらん辺境の地が外から流れ込んだ異民族に蹂躙されていようがなんだろうが、そっちのことはそっちだけでなんとかしなくれよ。もちろんアンケートにはありったけの怨み節をぶつけて提出しておいた。


この乗合飛行魔道具は「空の貴婦人」と呼ばれるタイプで、特に大型で長時間の搭乗を前提とした大陸間航行用なのでトイレはある。交渉中なので機内食の補給もある。異世界だから携帯もスマホのような魔道具もない。したがってギルドからの仕事の連絡もない。一応ポケベルは支給されているが、本当にただのベルなのだ(どうやって使うんだろう?)


5人組の武装した冒険者とそれを率いる令嬢が客室前方に降り立ち、機内放送で美しい令嬢がとんでないことを言い出した


「要求に応じない場合、人質を一人づつ殺害する旨政府に伝えました。」






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