黒魔女亭の怪物(クリーチャー)

夜むら

プロローグ

 とある国の森の中にある、真っ黒な館には、真っ黒な姿をした魔女が住んでいる。

 その魔女は来る日も来る日も魔法の研究に明け暮れるうち、

齢はゆうに数百を超えた。

 それだけの長い年月を魔法の研究のみに捧げたその魔女は、

やがて人知を超えた存在となり、あらゆる望みを叶えられる程の力を得たと

噂されるようになる。

すると、その力に救いを求め、時折その魔女の住む館に人が訪れるようになった。

 しかし、その魔女は己の欲望の為に、人の道に背き、

あらゆる禁忌を犯す事も厭わない常軌を逸した人物であった。

故に、それを頼る者もまた、人の道に背き、禁忌を犯す覚悟を

背負わなければならない。


 いつしか、その魔女の住む館は「黒魔女亭」と呼ばれるようになった。

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