第弐拾伍話 対焼夷砲兵種包囲撃滅戦

 ルカ達が指揮装甲車の下に着く頃には、既に砲撃は止んでいた。敵の砲撃は瞬間的であり、苛烈を極めた。


「被害報告!! 先の砲撃により、エイブラムス二一両、T-72五両。その他装甲車多数が大破、戦闘不能!!」


 臨時の作戦指揮所の周りで唸り立てるディーゼルエンジンに負けぬよう、伝令兵は叫ぶように言う。


「人的被害はどうだ?」

「はっ!! 確認出来ているだけでも死傷及び行方不明者は四三二九人!! 現在捜索と再編成を行っているところです!!」

「分かった。捜索は中止。再編成を急がせろ。次の砲撃が始まる前に移動する」

「了解!!」


 伝令兵に伝言を伝え、指揮官はルカ達に向き直る。


「さて、君達にも指示を伝えよう」

「話が早くて助かりますわ!!」

「ブラフマーは戦闘禁止につき待機だ。ここに居てもらう」

「どうして?!」


 大袈裟なジェスチャーをして抗議するノルトフォークを無視して、指揮官はルカ達に任務を伝える。


「まず、対砲兵レーダーによると敵砲撃地点はここから一○キロ前方。方位にして2-9-3。かなり近い距離からの砲撃だ」


 指揮官はおおよその当たりを付けて、地図上にバツ印を描く。


「恐らくはこの辺り。そして、我々はここだ」


 と離れた位置に円を描く。


「幸か不幸か、敵の砲撃で航空猟兵種ヴンダーヴァッフェの雲海が晴れてGPSで正確な位置を特定出来た。この位置関係は間違いない」

「至近距離」


 サーリヤが一言呟く。


 一〇キロ。数字を見ると遠く感じるが、実際に地図上で位置関係を見るとどうしてか近く見える。


「あぁ。砲兵の射程としてはかなりお粗末だ。そして、瞬間的で苛烈な集中砲火。敵の砲撃が止んでいるということをこちらの常識に則って図るのであれば、敵は砲弾が足りない。あるいは砲身の換装中ということになる」

「そこを叩くと?」

「そういうことだ。ジャガーノート、君は察しが良くて助かるよ」


 指揮官はノルトフォークに目を向けて言う。


「なんでこっちを見てますの」


 ノルトフォークは嫌そうな顔をして睨み返した。


「いや、なんでもない。ともかく、今がチャンスだ。予想される砲撃地点は敵警戒網の外。機甲部隊の速度を以てして、迅速かつ果断に敵砲兵を撃滅する」

「私達だけでも十分だと思うけど」


 そう口答えするサーリヤに、指揮官は申し訳なさそうな表情を見せる。指揮官は少し間を置いて、サーリヤの問いに対し答えた。


「これを伝えるのは酷だとは思うが、君達のことを良く思っていない者の方が多い。特にジャガーノートに対してはな」

「え? な、なんで?!」


 ルカはなぜかと聞かずにはいられなかった。


「正直なところを言えば、ジャガーノートからは人の臭いがしない。ブラフマーと違ってな。だから、人か別のナニかか分からない奴に、人類の命運なんか任せられるか。なんて若い将兵共がこぞって喚いている」

「そんな身勝手な......」

「身勝手だが、今は仕方ない。今はな。だからこそ、ジャガーノートが信用に足る存在なのか、人と呼んでいい代物なのか。疑う将兵共の前で示して見せろ」


 その後作戦の説明を受けて、敵砲兵──焼夷砲兵種グラヴィス討伐作戦が開始された。ルカとサーリヤ両名は機甲部隊の先行として一足先に進発。予測砲撃地点へと急行した。


 一〇キロなどものの距離でもないルカとサーリヤは直ぐに敵を発見するに至った。


「あれが焼夷砲兵種グラヴィス??」

「たぶんそう」


 木々の隙間から顔を出して見れば、ヤドカリに似た造形の生物が木々を薙ぎ倒しては貪り喰らっていた。


 ヤドカリとはいいつつも、一目で異生物群グレート・ワンだと見分けられる異様な姿形だ。


 サイズは五メートルほどで、見上げるほどの大きさだ。ヤドカリで言う本体の部分は巨大な盾の如き歩脚が一対。重々しい巨躯を支え、砲撃の衝撃にも耐えうるであろう太く鋭い歩脚が四対。


 貝殻の代わりに背負っているのは、ゴツゴツとした黒い岩塊。所々に赤く光る液体が流れていて、岩塊の天辺は熱気なのか空間が歪んで見えた。


「火山......ですかね」


 小さな動く火山。それが焼夷砲兵種グラヴィスを見た時、最初に抱いた印象だった。


「ひとまず報告を──」


 サーリヤが無線機を取り出した瞬間。真後ろの木がバキバキと砕けるような音を立てた。


 音に驚いて振り返れば、焼夷砲兵種グラヴィスが今まさに盾の如き歩脚を振り下ろさんと構えているところであった。


「気付かれたっ」


 咄嗟に横へと飛び除け、打撃を回避。転がりながら態勢を整える。衝撃波と揺れる地面にしがみ付き頭を上げる。見れば振り下ろされ打撃を受けた地面が盛大に捲れあがっていた。


 なんて威力だ。ルカは一瞬戦慄し、足を後ろへと運びそうになる。


「にげない、逃げない!!」


 そう叫び、緩慢に振り向く焼夷砲兵種グラヴィスに生やした鎖をそのまま投擲する。しかし、重装甲殻種ファントムの外殻にすら損傷を与えるこの鎖を、焼夷砲兵種グラヴィスの巨大な盾は容易く弾いてしまった。


 突き出た眼柄がんぺいの先、黒曜石に似た複眼がルカを捉える。口と思しき部位からはブクブクと泡を立て、その様相はカニと瓜二つ。


 焼夷砲兵種グラヴィスは地面に力なく垂れた鎖を歩脚に絡め、強引に歩脚を後ろへと振る。鎖を弾かれて呆然としていたルカはこれに対処できず、地面に頭を打ち付けてズルズルと引きずらつつあった。


「えっ?! うそ、うそうそうそ?!」


 投げやりにもう片方の手の鎖を投擲するが、やはり巨大な盾に弾かれ。一方の鎖もまた絡め取られ、引きずられる速度が増すのみだった。


「あぁぁぁ!! 離せ!! 離せ!!」


 ルカはヤケクソ気味に両手を振り回すも、血が飛び散るだけで意味は無かった。


 そうこうしているうちに距離は縮まっていく。ブクブクと湧いて溢れる泡が地面に落ちて、激しい音と白煙を上げる。


「ひっ?!」


 自らの運命を想像してしまったルカは怖気づき、助けてと叫ぶ瞬間。黒い爆炎が焼夷砲兵種グラヴィスの背負う火山を襲った。


 何事かと瞳をせわしなく動かす焼夷砲兵種グラヴィスとの間にサーリヤが降り立つ。すかさず六つの尾が火を吹いて、突き出た複眼を消し飛ばした。


「眷属、鎖切って」

「え......あっ!!」


 咄嗟にルカは鎖を根元の一本だけ残して切断。次いで目をやられた焼夷砲兵種グラヴィスが暴れ、切断した鎖が全身に纏わりついて炸裂。


 焼夷砲兵種グラヴィスの全身を黒焦げにし、焼夷砲兵種グラヴィスは溶岩のような液体をドクドクと吹き零しながら大地に伏した。


 サーリヤは無線機を取り出し、早速味方機甲部隊に連絡を入れる。


「ジャガーノートよりウルフ01。敵と接触、既に交戦している。送れ」

『ウルフ01了解。これより援護に向かう。敵の規模はどうか。送れ』

「敵は概算五メートルの中型種。総数は不明。敵のシールド状前部歩脚に対する攻撃は有効性が認められない。送れ」

『ウルフ01了解。タイガー隊も回り込んでいる。あと二分持ち堪えてくれ。終わり』


 無線機を仕舞い、サーリヤはルカに指示を飛ばす。


「眷属。二分耐える。それまでに出来る限り焼夷砲兵種グラヴィスを片付ける」

「了解」


 そうこうしている間に、焼夷砲兵種グラヴィスが数体、ルカとサーリヤを包囲するように迫っていた。


「目と、口を狙って」

「口?」

「あそこ」


 とサーリヤはブクブクと立つ泡のど真ん中を指差す。


「で、でも僕アルバトフ大尉みたいに砲撃なんて......」

「そこは......上手くやって」

「そんな?!」


 そんな芝居をしているうちに焼夷砲兵種グラヴィスは緩慢ながらも距離を詰めていく。もうここまで来たらやるしかない。ルカはそう奮い立ち、サーリヤの尻尾を見よう見まねで再現する。


 腰から生えつつある違和感に、鈍い痛み。ゾクゾクと、背骨の中を虫が這うような気持ち悪さを覚えながら。どうにか三本の尻尾を生やすことが出来た。


「これを......どうするんだ??」


 生やしたはいいものの、使い方など分からない。眉を曲げて自分の腰から生える九尾の如き尻尾を眺めていると、ついつい警戒を怠ってしまう。


 殺意を感じて正面に向き直り、振りかざされた盾の一撃を回避する。


「今度は上手くやってやるからな!!」


 なんて意気込んで、ルカは尾を構える。さて、どう撃てばいいのだろうか。


 数秒睨み合って、ルカは試しに一言呟いてみることにした。


「撃て!!」


 ルカの号令と共に撃発。黒い閃光と爆炎を伴い、鋭く光る弾丸が撃ち出された。黒煙はルカの視界を遮り、吐いた弾丸の末路をひた隠す。


 やったか、なんてフラグを立てる暇も無く。焼夷砲兵種グラヴィスが爆炎の中から躍り出る。


「効いてないっ!!」


 コツを掴んだルカはヤケクソ気味に黒鉄の砲火を上げる。されどデタラメな射撃は無為と化し、鈍い跳音を響かせるのみ。


「埒が明かない......」


 撃てば盾を構え、撃たなくとも盾を構えつつ前進する焼夷砲兵種グラヴィス。砲兵の癖して中々の戦闘力と知能を持っていることに、ルカは怒りを募らせつつあった。


 ルカは痺れを切らし、地面を蹴って距離を詰める。焼夷砲兵種グラヴィスが待っていたと言わんばかりに盾を振り上げる。


 緩慢な攻撃の予備動作の隙を突き、ルカは焼夷砲兵種グラヴィスの懐へと潜り込む。懐とはいっても、盾の打撃と強酸性の泡の攻撃を同時に受けかねない危険地帯。


 だが、危険なだけに踏み込む価値もあった。


「撃て、撃て、撃て!!」


 ルカは必死に叫び、黒鉄の砲火が立て続けに業火を吹き散らす。バースト射撃で瞬間的に数十発の砲弾が撃ち込まれ、鉄臭い黒煙が視界を埋め尽くす。


 ルカは射撃の直後に後ろへと飛び去り、倒れ行く焼夷砲兵種グラヴィスの下敷きになるのを防ぐ。泡を吹き零していた焼夷砲兵種グラヴィスは自身の泡に呑まれ、激しく音と白煙を立てて沈黙。


 ルカの動悸は激しく、息は荒い。一か八かのゼロ距離バースト撃ち。どうせ再生するから死なない、なんて覚悟しても怖いものは怖かった。攻撃を喰らえば痛いのだ。それはもう死ぬほどに。


 ルカは背中に違和感を感じて振り返る。見れば、黒鉄の砲口に花が咲いていた。ボロボロと鎖の破片が落ちていて、所々捲れてしまっている。これでは当分使えないだろう。


「無茶しすぎた......」


 最大の火力を失い、残るは手首で遊ばせたままの鎖のみ。最初に倒した時のように巻き付けて撃破出来ないだろうかと頭を捻ろうとするも、そんな暇は無く。


 黒煙と金属質な撃発音が鳴り響く森の最中。焼夷砲兵種グラヴィスは更に数を増して包囲網を縮めていく。


 鈍麻ながらに強烈な打撃力に防御力。そして異生物群グレート・ワンにしては高度な知能を有する焼夷砲兵種グラヴィスの群れに、流石に追い込まれつつあった。


「四匹目ッ!!」


 ルカは焼夷砲兵種グラヴィスの顔面奥深くに突き刺した鎖を引き抜いて、泡に呑まれぬよう即座に巨躯を蹴り飛ばす。


 切迫した戦況の中でアドレナリンが大量に放出され、痛みも忘れて。張り詰めた空気と熱気に照らされて。時間をも忘れて戦闘を続けていた。


 視野は狭窄きょうさくし、目の前の敵に集中するが為に側後方に対する警戒はおろそかとなる。今のルカは真後ろに忍び寄る焼夷砲兵種グラヴィスの一撃を、回避することなど出来なかった。


 焼夷砲兵種グラヴィスの盾が振り下ろされる瞬間。暗黒の森を一発の光弾がすり抜け、盾に着弾。焼夷砲兵種グラヴィスの打撃は僅かに逸れてルカを弾き飛ばすに終わった。


「かッ──?!」


 されど地面を叩き割る一撃は至近であっても至極強烈。全身を衝撃波が穿うがち、生え渡る木々に背中を打ち付けた。


 脳震盪と背骨の骨折で動けないルカに、砲撃を受けた個体とは別の焼夷砲兵種グラヴィスが迫る。十分近付き、盾を振り上げたところで再び砲撃が焼夷砲兵種グラヴィスを襲う。


 今度の砲撃は正確無比に焼夷砲兵種グラヴィスの複眼を砕き、歩脚の付け根を貫徹。APFSDSのメタルジェットは金属質な甲殻を焼き切り、焼夷砲兵種グラヴィス中枢の神経系と内臓を八つ裂きにした。


 身体を支える歩脚の半分と、生命維持器官をやられた焼夷砲兵種グラヴィスはその場で動きを止め、惜しむようにゆっくりと倒れ伏し沈黙。


 ルカは朦朧もうろうとする意識の中で、遠くから鳴り響く砲火の轟きを耳にするのみであった。


「こちらウルフ01。タイガー01、正面から焼夷砲兵種グラヴィスを押し込む。タイガー隊はケツを叩け。送れ」

『タイガー01了解』


 瀕死のルカと、交戦中のサーリヤに負けじと機甲部隊は森の只中を巧みに抜けていく。エイブラムスを中核とした米露混成機甲部隊は苛烈な砲撃を焼夷砲兵種グラヴィスに浴びせていく。


 最大速力で森を駆け抜ける様は正しく群狼ウルフが如き勇ましさ。されど、数多の砲撃は既に機甲部隊に対し盾を構える焼夷砲兵種グラヴィスに効果を発揮することが出来なかった。


『ウルフ01、こちらウルフ04。砲撃効果認めず。砲撃は続行か? 送れ』

「ウルフ04、こちらウルフ01。砲撃は続行。敵脚部及び複眼を狙え。少しでも注意を向けさせろ。送れ」

『ウルフ04了解......ウルフ01。さっき焼夷砲兵種グラヴィスの複眼をやったのは誰なんだ? 教えてくれ』


 若い将兵の興味津々そうな声が無線機越しに聞こえてくる。ウルフ01の車長は一つため息をつき、釘を刺す。


「ウルフ04、無線交信規定を無視するな。それと、現在は作戦行動中だ。私語は慎め。送れ」

『ウルフ04よりウルフ01。その命令は容認できない。教えてくれ。送れ』

「............ウルフ04、帰ったら教えてやる。デブリーフィングを楽しみにしているといい。終わり」


 少し乱暴気味に無線機を置き、車長は作戦概略図を思い起こす。焼夷砲兵種グラヴィスの注意を引くこと自体は出来た。押し込むにはまだ数歩足りないが、これぐらいの不足ならあの黒豹くろひょう共は何とかして見せるだろう。


 あれは化け物だ。もはや人外と言ってもいい。


 開戦して数ヵ月。ベルリンの戦いを生き抜き、欧州の南北を駆け巡って戦い続け。


 それでもなお損害は僅かに一割。精鋭も精鋭。STAGを除けば人類最強の機甲部隊。


 その名をエインヘリヤル。


 緑と土色の迷彩を取り払い、全身を黒く染め、諸所しょしょに赤いストライプを描いた黒い豹。敵を穿つ獲物は試製五二口径一三〇ミリ滑腔砲。


 無理に載せた最新鋭の巨砲は揺ぎ無く焼夷砲兵種グラヴィスを睨む。エンジンの火すら落とし、一切の音をも立てず、ただ粛々と火を吹く時を待っている。


 新しき力を持つ黒き意匠の鉄獅子、レオパルト2A5。装甲はそのままにエンジンを換装。実戦試験を待ちわびていた最新鋭の五二口径一三〇ミリ滑腔砲を装備し、火力と機動性を強化したモデルだ。


「タイガー01よりタイガー各車。準備完了せよ」

『タイガー02準備完了』

『タイガー03準備完了』

『タイガー04──』


 立て続けに上がる報告を聞き、タイガー01の車長が指令を下す。


「タイガー01よりタイガー各車。目標正面、焼夷砲兵種グラヴィス群。徹甲、距離八〇〇。各個射撃。撃ち方始め」


 潜んでいた数十両のレオパルト2A5が一斉に業火を吹き散らす。爆轟が轟き、衝撃波が身を寄せ合う木々を砕き。煌めくマズルフラッシュは一瞬、昼間より明るく森を照らす。


 発砲と同時に各車のエンジンに火が入り、移動を開始する。


 一三〇ミリAPFSDSの集中砲火を背中に浴びた焼夷砲兵種グラヴィスが次々と地面に伏していく。その間にも、自動装填装置にモノを言わせての絶え間ない射撃が続き、焼夷砲兵種グラヴィスは急激に数を減らしていった。


『タイガー01、こちらウルフ01。ウルフ隊で引き留めていた焼夷砲兵種グラヴィスの一部がタイガー隊の方へと向かっている。不意の接敵に注意せよ』

「タイガー01了解」


 一方的な警告通信にも返事を返す余裕を見せ、なおも射撃が続く。


 そして、警告の通りに一体の焼夷砲兵種グラヴィスが木々の間から姿を現した。


「操縦手、右に回避!!」

「了解!!」


 不意打ちに似た盾の一撃を、レオパルト2A5は急速旋回で回避する。そのまま土砂を吐き上げ悲鳴を上げる履帯をよそに、ドリフト気味に背後へと回り込み撃発。ゼロ距離射撃でまた一発仕留める。


 遠くからも、黒い爆炎と煙が立ち昇り、人影が空高くに現れる。鈍色に煌めく鎖を纏うサーリヤの恐ろしくも頼もしい姿を見て、なお士気が上がっていく。


「よし、タイガー01よりタイガー各車!! このまま押し潰すぞ!!」

『『『了解!!』』』


 斯くして、タイガー隊とウルフ隊による完全包囲が完成。両機甲部隊は八方より苛烈な攻撃を加え、焼夷砲兵種グラヴィスの一群を完全に撃滅。


 これを以て、焼夷砲兵種グラヴィスに葬られた四三二九の、最初の犠牲への手向けとされた。

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