お祭りの思い出
すでおに
お祭りの思い出
今年はWBCが盛り上がり、大谷翔平選手が話題を集めた一年でした。とはいえ本場アメリカでは野球人気が低迷しているとも聞きます。おそらく世界で一番野球を好きな国民は日本人でしょう。野球の赤道は日本列島を縦断している模様です。
ですが当然ながらみんながみんな好きなわけではなく、むしろルールが複雑だったりして好き嫌いの分かれる競技でもあります。野球熱を暑苦しく思っている人も多く、アンケート調査をすれば「興味がない」「嫌い」という回答も結構な割合を占めることでしょう。
さて、お祭りです。日本では夏や秋になるとお祭りが開催されます。町内会の数だけ祭りがある、と思わせるほどあちこちで開かれ、シーズン中は頻繁に交通規制に出くわします。
「あなたはお祭りが好きですか?」
ここで注意すべきは「お祭り」は2種類ある、ということです。
一つ目は、主に夜開かれる、出店が並んだ通りを浴衣で歩くアレです。J-POPに出てくるお祭りはだいたいこっちで、うぶな男女がドキドキしながら並んで花火を見上げます。
もう一つは、真昼間にお神輿を担ぐアレです。
「お祭りが好き」という人の「祭り」は前者ではないでしょうか。こっちの祭りが嫌いな人はそうそういないでしょう。嫌う要素は限られます。
問題は、後者です。
人生でお神輿を担いだ経験のある人は多いでしょうが、楽しかったですか?私も人並に子供の頃に担ぎました。年に一度のことなので、最初は物珍しさでテンションがあがっても、持続するのはせいぜい10分程度で、その後はただただ重いだけ。大勢で担いでも肩にかかる負荷は相当なもので、それを上回る幸福を見出せませんでした。
お神輿を好きで担いでいる子供はどれほどいるのか。子供は時に、大人が求める子供らしさを背負わされる。神輿はその象徴に思えます。私の偏見でしょうか。
私は子供の頃、祖母の家に遊びに行き、そこの地元の祭りでお神輿を担がされました。法被まで着せられて。
近所の子供たちに、たった一人赤の他人が交じって神輿を担ぐ。楽しいわけがありません。おまけに見知らぬ小僧に「お前ぶら下がってるだろ」と事実無根の因縁までつけられる始末。
祖母や親は、ひと夏の思い出をプレゼントしたかの如く笑顔で手を振っていましたが、親の心子知らずの反対です。
これらはあくまで私の勝手な思い込みで、中には子供の頃から神輿を担ぐのが好きな人もいるのでしょうか。昨今巷を騒がす「若者の〇〇離れ」に「神輿」はエントリーされないのでしょうか。
神輿担ぎを生きがいにしている人は、子供の頃から好きでい続けたのか、大人になって見直したのか。野球が好きじゃない人にいくら魅力を説明しても好きならないのと同じで、私には神輿の魅力がわかりません。野球が好きじゃない人はこんな気持ちなんだと理解することにしています。
というわけで私の懐かしい夏の思い出でした。
お祭りの思い出 すでおに @sudeoni
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