だから、死ぬ

第1話

「—だから、時間が巻き戻ってるんですって!」


2023年4月23日13時18分、都内某総合病院の一室にて、男は目の前の医者に強く訴えかけた。


「これでもう4回目なんです…これ以上は耐えられない、頭がおかしくなりそうなんです」


そう言い俯いて泣き出した男に医者はため息をつき、手元の書類にペンを走らせた。

「…ですから、その問題はこちらではどうにもできませんよ、と何度も言っているはずです。

紹介状をお渡ししますから、精神科を受診してください」

「俺は精神異常者だと?」

「そうですね。しかもかなり重症だ」

男の睥睨を死んだ目で受け流し、やれやれ…と医者は書類を差し出した。

「しかし安心してください。心療内科にはそういう方がたくさんいらっしゃいますから、きっとあなたもすぐ」

「ふざけんな!!!!」

気付けば男は医者に掴みかかっていた。

「そういう方って言うな…!俺は…俺は…!」

「佐々木さん、落ち着いて!」

割って入ろうとする看護師を突き飛ばし叫ぶ。


「俺は、おかしくなんかないんだ——!!」


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