第6話 『通行妨害』


 ある、夜のことである。


 どちらかの街中(分からない街中。)の狭い道を流星5号で走っていた。


 両側は、商店が並んでいる。


 ふと、前の真っ赤な大きな自動車が止まって、道の真ん中で動かなくなった。


 『あらー。通行妨害?』


 すると、後ろのでかいドアが開いたと思ったら、あーさんが出てきて、ラップかなんか踊り出した。


 『こらー、進まないじゃないかあ。』


 と、言いたいところだが、いささか、こわい。


 左のお店の夫婦さまが、呆然と眺めている。


 クラクション鳴らしたいが、やはり、自重した。


 間も無く、あーさんは車内に戻り、やっと、ちょっと進んだ。


 と、思ったら、また、停車。


 こんどは、なんと、怒りに燃える🔥『とら』さんか、でっかいわんこか、なにか、が出てきて、あーさんたちと、踊り出したのである。


 さすがに、これには、歯が立たないぞ。


 暫く、ダンスを見学するしかなかった。


 ようやく、狭い道は抜けて、ちょっと広くなったから、お先に行かせていただこうとしたが、そうは、ゆかない。


 あーさんたちが行く手を遮る。


 しかし、なんと、こちらの車にも、何時のまにやら、強そうな僧侶さまみたいな方が乗ってきていたのである。


 ま、この方が、あまりに強い。


 あーさんたちは、平伏したのである。


 それから、わが車は、なにやら、もう、ぎゅうぎゅう詰めの箱みたいな駐車場に押し込まれた。『羊羮のはこ』に、中身を詰める感じです。


 車を降りたふたりを、また、あーさんたちが襲ってきた。


 しかし、ぼくも、なぜだか、やたら『針髪の術』とかで、髪の毛を針金みたいに投げて相手に突き刺すという恐るべきテクニックを使う。


 『これは、歯が立たん。』


 と、相手は笑いながら降参した。


 で、なぜだか、駐車場から歩いて降りようとしたら(あら。街中だったはず……)、なにやら、通路は障害物だらけでなかなか降りることができない。ついに、とある荷物車の中に入り込み、中を掻き分けて運転席にでると、これがまた、ご夫婦のなかよし運転手さまだ。


 運転席には、日本史の分厚い本とか、考古学の本とかが山積みになっている。


 『あ、途中で見るのが楽しみなんです。そのまま、詰めてドア閉めてくらさい。』


 とか、おっしゃいます。


 これが、本がぎゅうぎゅう詰めなので、なかなか締まらない。


 なんとか、ぎりぎりで締めて、やましんは、やっとこさ、車から降りるのであった。


 ふたりは、閉まったとたんに、機嫌良く駆け抜けていったので、ちょっとびっくりした。


 こりゃ、もう、かなわん。夢から脱出だあ。と、夢はやめにして、おトイレに走ったのである。(ここからは、現実。)それで、紙パンツの中の重たくなったパッドを、いそいそと、交換した。




      🚘️




 これは、いったい、なんなのだ?


 要するに、やましんは、なかなか、前には進めない。


 と、言うことであろう。



     😃💍✨🐅


 

 

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