殺人ペンギン残党VS凝縮された極小サイズの地獄
上面
殺人ペンギン兵団
僕の名前は
僕は今、車でペンギンを轢き殺してしまった。車のバンパーは凹んでいる。
これが人間だったらと思うと社会的責任の重さで胃が痛くなる。野生動物や怪異ならばどうでもいいといえばいいのだが。
助手席に座っていた大神さんは僕より先に車から降り、ペンギンの様子を見ていた。大神さんは黒髪を三つ編みに纏めた女性で眼鏡をかけている。仕事中は調達のし易い工務店で買った紺色の作業服を着ている。同期だが、彼女の方が僕よりずっと年上だ。見た目は二十代くらいを維持しているが大和政権ができる前から存在しているらしい。
「これはペンギンか?紅世はどう思う?」
白と黒の羽を持ち、
それが道路の上に臓物をまき散らしている。
「僕にもペンギンに見えます。見た目だけですが」
普通の動物だったらどうしようと動揺していたけれど、これはどう見てもただの動物ではない。怪異のような匂いがするし。このような怪異は初めて見る。どんな味か気になるな。
「とりあえず食べていいかな?」
確認を一応取る。
僕が口を開き、ペンギンを食べようとした瞬間。それらは襲ってきた。
道路の側の森林からペンギンの群れが飛んできたのだ。
ペンギンたちは飛行しつつ、口からビームを撃って来た。どれくらいの威力かわからないから避ける。避けつつ、僕は掌から火の玉を飛ばす。直撃を食らってもあまりダメージを受けているように見えない。火属性耐性がありそうだ。
「耐火性は高そうだが、銃弾は効くようだ。君も銃を撃て」
大神さんがペンギンを一匹撃ち殺していた。拳銃弾で撃ち殺せるあたり、強度はあまり高くなさそうだ。
「
ペンギンは日本語を話す能力を持っているようだった。道連れとか
それからペンギンの群れは上空からの光線攻撃を行うものと自爆攻撃を行うものに分かれた。僕もできるだけ撃ち殺したが、球切れすると攻撃の手段が無くなり、自爆を受け続けることになった。昔、小学校の運動会で転んだとき並に痛いな。僕の遠距離攻撃手段は基本的に炎を使ったものなので火が効かないとどうにもならない。
ペンギンの襲撃も落ち着いたので、僕は大神さんの部位を間違えて食べないように、道路に落ちたペンギンの肉片を漁る。
しかし、怪異も神もぶちまけられると内蔵の見分けがつかないな。
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