<呟き4>そよ風
今宵も街に風が吹く
すべてを浄化していく風
不思議と涼しさはない
去ったあとには
ただ悲しみが残るだけ
今宵も街に風が吹く
寒気を増幅させる風
憂鬱と帰路へついた自分
息を吐いたあとには
ただ憎しみが残るだけ
朧気に瞬いた光線は
一瞬で空を通り過ぎた
ささやかな日常に
苦しみの声は溶けていく
横をそよ風が通り過ぎていく
寂しさまでも
この風に冷やされていく
手から零れた煌めきは
いつの間にか死んでいた
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