<呟き3>霞む

 今日の自分が霞む

 いつの間にか「私」が消えている

 黙っていれば

 現実から私が離れていく

 明日の朝が来るのだろうか

 保証されない明日を待って

 今日も霞んだ視界を閉じる


 周りは何か話しているのに

 私だけ消えてしまったようだ

 誰にも気づかれずに死ぬ

 苦しくもなければ

 哀しくもない

 誰にも涙を流されないから


 この世の全てが霞む

 白く煙に巻かれたように

 においも感じない

 音も感じない


 私の存在は消えていく

 明日はすでに存在しない

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る