物語の“その後”、セカイの行く末は
@nruse_nek
■第1章 終わりの始まりへ
1-1 セカイに平和を
世界を脅かしていた存在、それは“北の魔皇”が率いる魔王軍の脅威だと王国は世界へと伝達させていた。
だが、その“北の魔皇”を退けられる“勇者”は王国の皇子だと予言されていた。
そのため、王国の存亡の危機だと判断した王様は“冒険者ギルド”に頼み込んだ。
【機密クエスト】
それによって、“冒険者ギルド”は5人の冒険者を緊急招集させたのだ。
一人目として【偽りの勇者という立ち位置】、朱色の髪色でウルフカットにしており、翡翠色の瞳色をした切れ長なツリ目をしていて左目の下には泣き黒子がある。
右耳には青色の石で作った十字が吊り下がったピアスをして、白と青色の軽騎士のような服装を着ていて首には空色のマフラーのようなモノを緩く巻いた青年だ。
『宜しく、皆!俺は、“ヴェテル・ハーヴェスト”って言うんだ』
彼の実力は誰もが羨む程で、剣術も魔術も神聖術さえもパーフェクトにこなしてしまうのと好青年で周りからの人望も厚いというのだ。
二人目として【稀に現れる大魔導士の素質を持つ者】、金色で長くて軽く捻った感じで黒い赤いリボンで束ねてツインテールにしており、左目が赤色で右目が赤紫色のオッドアイの瞳色で少しキツめのツリ目をしている。
ゴシックな感じの魔導士の服装をしていて、腰には腰用の鞄を身に着けている背の低い少女だ。
『“アマリリス・ロウ・クレイスト”……宜しくするつもりは無かったけど、仕方ないから宜しくしてあげるわ!でも、足を引っ張るなら容赦はしないわよ』
『クレイスト家の??』
『そうよ?でも、アタシはアイツらとは違うわ!あんな怠けた魔導士には、絶対になるつもりはない!』
3人目として【情報収集が趣味でもある女タラシ】、茶色の髪色でミディアムな感じに頭には緑色のヘアバンドを身に着けていて、モスグリーン色の瞳色で切れ長なツリ目をしている。
盗賊のような服装を緩い感じで着ていて、顎には無精髭があり背の高い男性である。
『おいおい、女の子が二人とか……なんつー良いクエストってもんだな!俺様は、“ザーフィ”ってんだ!宜しくよぉ、お嬢ちゃん達!』
『何よ、コイツ』
『いや、そんな冷めた眼差しで見んなよっ……可愛い顔が台無しだぜ?』
『……』
『あ、無言はヤメてっ』
四人目として【大教会から派遣された監視者】、やや黒寄りな灰色の髪色で左側の前髪だけ掻き上げては髪留めのピンで留めており、青緑色の瞳色をした切れ長なキツめのツリ目をしている。
神官風な服装を着ているが軽装な感じに着こなしており、何処となく狩人のような服装をしている少し背の低い青年だ。
『……なんか、不安になってきたんだけど』
『ははっ、でも楽しくなりそうだけど?』
『アンタは、いいだろうけど……まぁ、大勢ってのも一興って所だね』
『あくまでも神官のくせに、それでいいわけ??』
『真面目に、神官はやってないんで』
『あ、そう』
『あぁ、名乗ってなかったね?僕は、“リコリス・ウィンタルス”……これでも、神官をやってはいるよ』
そして5人目として【不明のユニークスキルを持つ魔装剣士】であり【この物語の主人公となる】、頭にはゴーグルを身に着けたボサついたセミロングを軽く後ろで束ねた緑色の髪色をしていて、少しジト目の薄いピンク色の瞳をしており、軽装な剣士のようなトレジャーハンターのような服装をして腰には機械式の刀が収められた鞘を身に着けた少女である。
『あははっ!なんか、結構な曲者の集まりになったね?私は、“フィロメール”!ただのフィロメールだよ』
『ふふっ、確かに……これから、宜しく?フィロメールちゃん』
彼らが“最強のパーティー”として世界へと知らしめたのは、“北の魔皇”を退けるどころか周りの村や街などを救いながらも誰もが思わなかった【北の魔皇の討伐】を成し遂げた事である。
だが、この“北の魔皇”との戦いで“フィロメール”が“不浄の呪い”をうけてしまい“不老不死”という“呪い”を背負う事になった。
『フィロメールちゃん、もう行くのかい?』
『うん、“不浄の呪い”を解くためにも旅をしようかと』
『フィロっ』
『わっ、アマリリス?』
アマリリスは泣きながらもフィロメールに抱きつき、何処となく悔しそうな表情を浮かべてはフィロメールを見上げていた。
『役に立てなくて、ごめんなさいっ…』
『仕方ないって、前代未聞な事でしょ?』
『っ……、必ず!必ず、フィロの“呪い”を祓える方法を見つけてみせるわ!』
『ふふっ、気長に待ってるよ』
フィロメールはザーフィとリコリスを見れば、二人共フィロメールとアマリリスを優しい眼差しで見守るように見つめては優しく笑みを浮かべていた。
『フィロメールちゃん』
『んー?どうしたー、ヴェテル?』
『色々と落ち着いたら、また皆と集まってはワイワイと冒険をしない?』
『冒険?』
『その時に、フィロメールちゃんに話したい事があるんだ』
『まぁー、別にいいけども』
『ふふっ、楽しみにしているね』
フィロメールは皆から離れて歩いては、そこそこ離れた場所で立ち止まり振り向いては満面な笑みを浮かべていた。
『またね、皆!』
『おー!また、会おう!』
『また、必ず逢いましょう!絶対に!』
『次会ったら、一緒に酒を飲もうぜっ!!』
『まぁ、気が向いたらね~』
フィロメールは満足気に背を向けてから走り出しては、背を向けたからなのか少しだけ寂しそうな笑みを浮かべる。
『行って、しまったなぁ……』
『でも、それで良いと思っているのでしょ?アンタってヤツは』
『そうだね……、彼女だけでも“生きていて欲しい”と皆で決めたワケだから』
『だけど、そんなお前でも“悪足掻き”はするんだろ?何時ものように』
『あぁ、タダで死ぬような事はしない……付き合わせてしまうね』
この日から、“偽りの勇者一行”は王国から追われる身となっていた。
彼らが10年後に王国によって“処刑”されたとは、この時のフィロメールは知らない。
だが、それは仕組まれた事だ。
“不穏な噂”の足音は、旅をしているフィロメールの耳にも届いてしまうとは彼らも仕組んだ側も知らない。
大きな丘の上の崖から首都を眺めているのは、頭にはゴーグルを身に着けた腰ぐらいの長さを毛先寄りで束ねた緑色の髪色をしていて、少しジト目の薄いピンク色の瞳をしており、軽装な剣士のようなトレジャーハンターのような服装をして腰には機械式の刀が収められた鞘を身に着けた少女である。
彼女こそ、【この物語の主人公】となる“フィロメール”だ。
「よーし、今日は彼処で泊まろうかなっ!」
フィロメールは崖を飛び降りては勢いよく滑りながらも、風の魔術を使っては怪我もせずに下へと着地してから首都の門へと向う。
その際に、“見慣れない感じの服装をした冒険者達”とすれ違いながらも軽く首を傾げていた。
(あんな感じの人達、今まで見ていないような?ってか、迷いの大森林から暫く出れてなかったから気付けるわけないっか!)
フィロメールは特には気にせずに歩いては中央広場へとやってくると大きな機械仕掛けの塔があり、その塔の周りには電子パネルなモニターが沢山バラバラと浮いていた。
「何、アレ??」
(暫く来ないうちに、なんか凄く変わってない??)
「どういう事……?」
(“変わった姿の人達”も、この周辺によく集まっているみたいだし……)
「…………酒場に、行って情報収集かな……」
フィロメールは少しだけ嫌な予感を感じながらも、大通り沿いにある大きな酒場へと向かえば“変わった姿の人達”も多数いるようだ。
「……どういう事なの?」
「それについて、ボクが教えてやる」
「え?」
つづく→
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