天地創造から始まる物語。〜勇者より強い主人公が陰から助けるが。

第2話 魔法という力

ここで一般的な人族のステータスを教えておこう。(誰にだ)

・一般成人男性　〜　HP 50〜100 MP 1〜50 STR 10〜200

・Aランク冒険者〜　HP 500〜5000 MP 100〜5000 STR 300〜5000

・上級騎士　〜　HP 500〜1500 MP 300〜3000 STR 800〜2000

である、冒険者はランクをSからFまであり上から2番目がAランク冒険者であり人外に近い力を持つ。

父親のリチャードは

・兵士　　〜　HP 500 MP 1000 STR 1000

で剣術(上級)のスキルを持つ意外と優秀な兵士と言える。

そしてこの世界には魔力と魔法がある、魔法が使えない者でも魔力があればそれ相当の身体強化が使えるのだ。

父リチャードも魔法自体は生活魔法以外使えないが、豊富な魔力で身体強化をして戦うのだ。

そして僕である、既に50000のMPを持ち全属性の魔法が使えそうだ。

5歳児でも魔力で身体強化し魔法を使えばAランク冒険者を軽く上回る力を振るえるのだ。

魔法は想像力と適切な指示で効力を発揮すると言う、僕には前世の科学の知識と医療・建築その他この世界にはまだない知識がある。

裏の森に隠れて行っては魔法の練習を行い今では全属性の魔法を使うことができていた。

そして魔法で作り上げた防御機能を備えた服と魔力タンクを備えた剣を所持している。

装備や所持品は当然のことながら異空間収納で収納し手ぶらで移動するが、移動方法も飛行魔法・瞬間移動・空間転移や俊足等抜け目はない。

そんな僕がこれから3年間人知れず修行を行いくるべき日に備えるのだった。

ーー　創世記元年

世界を創造した女神はこの星の生き物のためにいくつかの律を決めた。

女神は暦を作った、創世記歴である。

1年を360日、1月を30日の12ヶ月、1週間を火・水・土・風・聖の5日6週、1日を24時間と決めた。

人族の寿命は50〜100年、獣人族は100〜300年、精霊・妖精族は300〜1000年そしてそれぞれに上位種を。

人族の特徴は多産と中程度の魔力を、獣人族は身体強化と小程度の魔力を、精霊・妖精族は少産と高程度の魔力をそれぞれ種族特性とした。

女神は独り言を呟く

「人族はこの平原に縄張りを持ちそうだわ。獣人は森の近くで精霊・妖精族は森や地下に縄張りを。それぞれに特有のスキルと王様用に私謹製の魔道具や武器を与えて・・・これくらいでいいかしら・・・あ！そうね神の書を上位種に何冊か与えましょう。」

創造神は環境が整ったところでこの世界に生きる人々を創り力を与えた。

100年後、人族は人口を爆発的に増やしながら大陸中に生活圏を広げる。

獣人や精霊・妖精族は寿命が長い分繁殖力が低いため100年経っても⒈5〜3倍にしか増えていない。

200年後、人族はそれぞれの場所に王国を作り始めた。争いも活発で職業的な戦士も生まれ始めている。

獣人族は種類別に村を作り弱い者同士が集まり混成の町を作り始めた。

精霊・妖精族は他と交わることなくそれぞれの世界を作り上げていた。

300年後、幾つかの国が興っては滅びを繰り返し、それぞれの領地が固定し始めてきた。

獣人達は人族と交わるものも現れ始め、混血も生まれ始めた。獣人ばかりの大きな街ができ王が誕生した。世代が代わっている。

精霊・妖精族は人と距離を置くものと交わるものに分かれ、それぞれの特徴を活かした生活を送り出した。世代はまだ代らず。

350年後、真なる魔王が誕生する。

災悪と呼ばれるS級のモンスターが縄張り争いをし始める、その影響は周辺に住む獣人や人族にモンスターが溢れるスタンピードとなって襲いかかる。

人族は対魔物の専門職「冒険者ギルド」を世界共通で設立し始める。

人族に中に「勇者」と呼ばれるものが誕生する。

未だ人族の中には上位種は存在しない。

ーー　血族の歴史

創世記353年、兵士長に昇格したリチャードは通い詰めていた食堂の看板娘に求婚をした。

リチャードは１５歳でこの街にやって来た田舎の青年で5年で兵士長までなった努力と才能を持った青年だ。

シルクは雑貨屋を営む両親と2人の兄を持つ末の妹だ、１６歳で近くの食堂で2年ほど働いている。

毎日のように姿を見せ声をかけるリチャードに対してシルクも悪い気はしていなかった。

兵士が10人ほど食堂にやって来た

「親父さん！コイツ今度兵士長になったんでみんなでお祝いにきたよー。エールとツマミを持って来てくれー。」

と常連の兵士がリチャードを指差しながら3つのテーブルを占領した。

「ハイ、すぐにお持ちしますね。」

シルクは自分のことのように嬉しくなって笑顔で答えるとエールを運んだ。

「シルクちゃん、今日も笑顔が可愛いね。コイツシルクちゃんのために頑張ったんだぜ。」

と別の兵士が揶揄いながら教えてくれる。

「私のために・・・？」

とシルクが首を傾げると別の兵士が

「あれ、シルクちゃんは聞いてないの？コイツシルクちゃんの実家に行って交際する条件を聞いたんだよ。それが「兵士長になること」で、それから猛烈に頑張ったんだよ。なんだお前教えてなかったのかよ、それじゃシルクちゃんに好きな人がいたら話にならないんじゃないか。」

と言いながらリチャードに詰め寄る兵士。

「ああ、私は好きな人なんていませんよ。」

慌ててシルクはそう言うとリチャードを見ながら顔を真っ赤にさせた。

3日後シルクは両親からリチャードのことを聞かれた

「ハイ、リチャードさんはとても誠実で努力家のようです、優しいし彼なら私結婚してもいいと思います。」

と自分の気持ちを伝えると両親は、

「それなら結婚の話を進めるよ。」

と言ってくれた。

その後2人は正式に婚約者として付き合い、1年後に結婚そして2年後にセブンが生まれたのだった。

出産の日、激しい風雨が街を襲い人々は固く家に籠った。

深夜過ぎに急に風が止み空の雲が晴れ満天の星空が姿を現したその頃セブンはこの世に生を受けたのだった。