縁を結ばないのもご縁です〜八方美人をやめた異世界ライフ
迦楼羅
001 異世界転生で最初に望んだもの
神「縁切りですか?」
人間関係に疲弊したミウが、転生時に一番最初に願ったのは"縁切り"だった。
ミウ「はい。これ以上面倒事に巻き込まれたくないんです。我儘だとは分かってますが、もう嫌なんです」
ミウは素直で優しく、強い者に巻かれて生きて来た。彼女の処世術ではあったが、自分を全て押し殺し相手に合わせる生活は、徐々に彼女の心を蝕んだ。
そばにいる人が好きだと言えば「分かる、分かる〜。いいよね」と返事をし、
相手が難色を示せば、ミウも同じように振る舞った。洋服も趣味も、会話も、完全に相手をコピーし、とにかくハブられないように生きてきた。
成績だって、スポーツだって、付き合う友達のメンツを潰さないように、ほどほどで生きてきた。
またあの煩わしい生活を繰り返すのか、
ふーっと、長いため息をついた。
そうか!!
「縁切りしちゃえばいいんだ。それなら関わらなくて済むし!」
ミウは嬉しそうに、このアイデアを神にぶつけてみた。
神は、ミウの願いを最大限に叶えようと考えたが、
世の理として、
「縁切り」は、単に会わなくなる手段ではなく、下手するとどちらかの生命を絶ってしまう可能性がある、それくらい、人は他人との見えない「縁」で繋がってるのだ。関わらなくするには、命を終わらせるのが、確実である。
神は一瞬の間を置き
「あなたが過ごしやすいようにしましょう」とだけ言った。
ミウは大喜びで、光る門を抜け
新しい世界へ一歩踏み出したのだった。
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