「役立たず」とパーティを追放された俺のスキルは《ダメージ吸収》……ではなくて、 あらゆるものを消去できる《存在消去》なんだが? あ、先に言っておく。パーティーには戻らんぞ?
りさき
第1話 追放されたんだが?
「おいデリータ、お前もうパーティー出てけ」
モンスター
俺はその
「……
「二度は言わねぇぞ。お前はもう俺のパーティーにはいらねぇ」
は……? なんで俺が? と
だがディオスの顔には
「おいおい冗談キツイだろ。二ヶ月も一緒にやってきて」
「この
……まぁ、見えないな。人殺しそうな目してるし。
ショックだった。二か月前にディオスが俺を――それも底辺冒険者と呼ばれるGランクの俺をパーティに誘ってくれた時、あの時は心の底から嬉しかった。
わかりやすいランク制度がある中で、ディオスは『重要なのはランクじゃねぇ。
俺はディオスに期待されていると信じていた。だから俺なりに考えて行動してきた。
なのになんで――。
「理由を知りたいって目、してんな。逆に聞くがお前の役目はなんだ?」
「
それが俺のスキル《ダメージ吸収》の役割。
確認されなくたってちゃんとわかってる。
「そ、ダメージ吸収。それがこのパーティでお前に与えられた絶対の役割。……なのに最近のお前はなんだぁ?」
ドガッ……! と背中に
「盾どころか吸収すらもできてねぇ。まともに
考えなしにそうしてる訳じゃない! 俺はパーティ全体のことを考えて――と口にしようとするが、ディオスの怒りが言葉を
「俺らは遊びでモンスターと戦ってんじゃねぇんだよ。
……ダメだ。今のディオスに何を言っても聞く耳は持ってくれないだろう。
期待されていた
そして同時に、ディオスならその
だけど、俺からの期待には応えてくれないのか――ディオス。
「……他の二人も同じ考えなのか?」
ディオスの後ろに立つ
「そうね。
言い切ったのは魔法使いのテュア。
「え、ええ……大変
目を
なにか、こう、
「そういうことだデリータ。お前は今日限りで俺のパーティーをクビだ」
「……俺がいなくなっても大丈夫か? 困らないか?」
「お前耳ついてねーのか? 必要ないって言ってんだよ、むしろジャマだ」
もう一度壁に叩きつけられる。
ここでわかってもらえないなら、聞く耳を持ってもらえないなら、もう無理だろうというのは直感的にわかっていた。
俺は
「
「なに、心配には及ばない――おい、ちょっと」
ディオスが体の大きな男を呼び寄せた。誰だ?
「俺らCランクパーティともなれば
なにかが
――そうか。俺は
ディオスは俺に期待していたのではない。俺の持つ《スキル》
だからいくら俺が彼らに期待をしようが、パーティのことを思って動こうが関係がないのだ。どれだけパーティを大事にしていても、メンバーを大事していても……俺が大事にされることはない。
だから余計なことをすれば……こうしてお払い箱ってわけか。
「……そうか。少しの間だけどディオスたちと一緒に
「こっちは
ディオスに背を向ける。それと同時に心に決める。
俺は大切にしよう。
――《スキル》ではなく『俺自身』を大切にしてくれる人たちを。
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