第10話 魔族の男

サヤ「残ってる依頼は…薬草採取とハンターボアの討伐…両方受ける?」



ロナ「そうね!私たちなら掛け持ちでもできそう。」



レド「決まりだな。」



三人は薬草採取とハンターボアの依頼を受けた。

森へ入り薬草を探しながらハンターボアも探す…



ロナ「薬草あった!」



サヤ「違うそれ毒草!薬草はこっち!」



ロナ「違いがわからないわ…」



わいわいしながら依頼を進めていく三人。すると…



「誰か助けてくれ!このイノシシ野郎をぶっ飛ばしてー!!」



誰かの叫び声が聞こえる。



サヤ「叫び声…向かおう!」



ロナ・レド「了解!」



三人は急いで声の方角へ向かう。そこにはハンターボアと襲われて木の上へ逃げている魔族がいた。



「あぁぁぁ!誰かぁぁぁあ!」



サヤ「今行く!落ち着いて!ロナ、弓の準備を!」



ロナ「もうしてるわよ!目を狙うから間合いをつめて!」



ズドンッ



ロナの弓は見事ハンターボアの目に命中した。



レド「サヤ、一緒に行くぞ!」



サヤ「私は股下にいく!レドは上から刺して!」



サヤはスライディングしてハンターボアの下に潜り込み下から刺す。レドは木の上へ登りそこからジャンプして上から刺した。三人の連携でハンターボアを討伐することができた。



サヤ「もう大丈夫ですよ!降りてきてください!」



「ほほほ本当かい?降りるよ…」



そういい、魔族の男は降りてきた。



「ああ…なんてことだ…」



サヤ「どうしたの?ハンターボアはもう…」



ナルシス「僕はナルシスと申します女神様…どうか僕と結婚を…」



男はサヤの手を握りプロポーズ?をした。



サヤ・レド「はぁ!?結婚!?」



なんと…助けた魔族の男、ナルシスはサヤに一目惚れ…求婚をしてきたのだ。



サヤ「なに!?私には先約が…」



ナルシス「奪ってみせます…そんな男捨てさせる…」



レドがナルシスをサヤからひっぺがすと、



レド「サヤは俺の女性だ。渡すわけにはいかんぞ。」



ナルシス「女神様!なんでそんな男を選んだんですか?人間なんかを!」



ロナ「あーのーね!二人には他のカップルに無い絆を持ってるの!諦めなさい。」



しょんぼりした男を連れて、三人は一度ギルドに戻ることにした…

町に戻ると町の魔族たちの態度が一変。



「ああナルシスさん!私たちを救いに戻ってきてくれたんだわ!」



英雄扱いされるナルシスを見て、サヤは尋ねる。



サヤ「ねぇナルシス…さん。あなた何者なの?」



ナルシス「女神様、僕は冒険者なんだ!町を救うためになったのさ!結婚を考えてくれたんですね!?」



サヤ「違う、聞いただけ!勘違いもいい加減にしろ!」



「え?今ナルシスさんが求婚した…?フィアンセが見つかったんだわ!」



市民が勘違いをはじめる中、四人はギルドへ到着した。



職員「ナルシスさん!?来てくれたんですね!」



ナルシス「いやいや、礼をされることなんてないよ。」



職員「あなたは町の希望です…!それで…サヤさんたちはどうしたんですか?」



レド「いや、薬草採取をしてたらこいつがハンターボアに襲われていてな…助けたところだったんだよ。ハンターボアは討伐したから、依頼達成ということで…」



ナルシス「はっ!何を嘘をついているんだい?ハンターボアは僕が倒した。そうだろう?君に倒せる訳がない!」



ロナ「こいつ…!!」



ロナは拳を握るが、それをサヤがなだめる。



サヤ「おい、嘘をつくのはやめろ。ハンターボアは私たちが倒したんだ。証拠にナイフに血もついてる。」



ナルシス「おっと言い忘れていた。三人も協力してくれたんだよ。この女神様が!」



話が通じる奴じゃないらしい…三人はため息をつく…



レド「わかった…報酬はお前にも分けるからそれで勘弁してくれ…」



ナルシス「報酬は女神様で手をうつよ。」



三人は頭を抱えた。こんなやつに目をつけられてしまったのかと…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る