第5話 三人での依頼

レド「だから!サヤに合う装備を探してるんだ!」



店員「へっ…魔族に合う装備なんかこの店には無いよ!」



そう言われ、三人は追い出されてしまった。



レド「くっそ…魔族に対してこんなに酷いとは思わなかったな…」



三人は装備屋に来たものの、門前払いをくらい足止めされていた。



サヤ「魔族の町なら…なにかあるかもしれない…でも、二人が危険になる…」



ロナ「一つだけいい店知ってるわ。かなり高いけど。常連だからなんとかできるかも。」



ひとまずロナの言うことを信じ、三人はその装備屋へとむかった。



店員「いくらロナさんの知り合いでも…魔族に装備は渡せないです…」



ロナ「いいえ、サヤは絶対に高い評価を得る。そんな魔族を見抜いたと必ず言わせてみせる。お願い、装備を売って…!」



店員「……店長を呼んできます!」



しばらくすると、店長が出てきた。



店長「ロナさん…どうしちゃったんですか?魔族なんかとつるむなんて…」



ロナ「お願い、装備を売って。通常の倍でもいいわ。このあと稼ぐお金に比べたら安いものよ。」



店長はしぶしぶサヤに合う防具とナイフを見繕ってくれて、通常の倍の料金を支払った。



サヤ「ロナ…ごめんね、お金借りちゃって…」



ロナ「魔族も謝るのね。知らなかったわ。」



レド「すまない、俺が駆け出しなばかりに…」



ロナ「レドは悪くないよ。魔族とつるんだのが悪いだけね。」



やはりロナはサヤへの当たりが強いようで、そっけない態度をとっていた。それでもサヤの実力だけは買っておりそこだけは認めているようでもあった。



レド「よし、それじゃ依頼を受けようか…なにがいいと思うか?ロナ。」



ロナ「そうね…サヤも加わったことだし少し難しいものでもいけると思う。例えば…フレイムバードの討伐とかはどう?」



フレイムバードはその名の通りごうごうと燃えている鳥のことで、鋭い爪とくちばしを持ち、害獣扱いされている魔物だ。



サヤ「ロナは弓が得意なんだよね?それならいけるんじゃないかな。」



ロナ「あんまり私だけを頼らないようにね。」



三人はフレイムバードの討伐の依頼を受けた。

指定場所は足場の悪い崖の上で、一歩間違えると下にまっさかさまだ。



レド「うぉ…危ないぞこれ…気を付けろよ二人とも。」



ロナ・サヤ「了解。」



しばらく歩いていると…



「ギュワァァァア!」



甲高い鳥の鳴き声が聞こえたのと同時に、視界に動く影が映る。



ロナ「あれがフレイムバードよ。かなり大きいサイズね…」



ロナは弓を構える。が、フレイムバードは足場が悪いのをいいことに突進してきたり、くちばしでつつくような攻撃を仕掛けてきた。



サヤ「待って…私が殺る。」



突進を避けて、カウンターでナイフで切りつけた。そこへロナが弓を撃ち、なんとか討伐できた。



レド「すまん…俺なんにもできなかった…」



サヤ「レドは囮になってくれたでしょ!」



サヤがニシシと笑う。ロナは早速剥ぎ取りを始めた。



ロナ「こことここが売れる部位で…」



集中してるようなので二人は話しかけず観察していた。



ロナ「よし、終わった。」



サヤ「ロナすごい!綺麗に剥ぎ取れてる!」



ロナの背中をポンと叩く。



ロナ「ちょっ!足場悪いんだから押さないで!」



わいわいしながらギルドに戻る三人…そこに何者かの影が近づいてきているのだった…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る