いざ水族館カフェへ
「大川、今日行くところ大体わかってると思うけども……。」
「はい、大体予想はついていますよ。でも、分かっていてもいけるのが楽しみです。」
そう言って大川はいつもよりもおしゃれな服をサラサラと撫でながらそう答えてくる。
「お、お前ら早いな!こっちも結構早く来たつもりだったんだけどなぁ……。」
「わ、大川さんその服可愛い!どこで買ったの?今度うちにも紹介して!」
村川と小松の2人も集合した。ようやく大川と行く場所の答え合わせをする時間だ。
「今日行くところは……。水族館カフェです!」
村川がそう言ってホームページの画面を大川に見せている。
「わざわざ私が空いているこの日に……ありがとうございます。」
そう言って大川は頭をぺこりと下げる。
「大川はここ最近ずっと頑張ってたんだからさ。このくらいは当然。」
「そうだよ。うちらからのプレゼント?うーん違うなぁ。まぁいいや!とにかく今日は楽しんで!」
僕たちのマンションの最寄駅から電車に揺られること30分。ビルが立ち並ぶオフィス街にそのカフェはあった。
「予約した須井ですけれども……。」
そう店員に告げると、店員は僕たちを一番大きな水槽がよく見える席へと案内してくれた。
「ここの席が唯一どこの水槽を見られる席になっています。どうぞお楽しみください。」
そう言って店員はメニューを置いてキッチンの方へと戻っていった。
「とりあえず飲み物頼むか……?」
「うち、このペンギンジュースがいい!」
このお店は水族館カフェと言っているだけあって、メニューのほぼ全てが海洋生物にまつわるものになっている。
「じゃあ、俺はチンアナゴサイダーで。」
「私はこの海のミックスジュースにします。」
そして、僕はタコのコーラにすることにした。
水槽を眺めながら待つこと数分、飲み物が到着した。
「わ、すごい!上にペンギンのシートが浮かんでる……!」
ドリンクにはそれぞれモチーフになった海洋生物のピンであったり、シートであったりが浮かんでいたり、飾り付けられていた。
「あ、あの魚大きいです!」
大川が指差した大きな水槽の先には大きな魚がゆっくりと動いていた。
「あ、こっちは熱帯魚みたいだよ!みんなで仲良く泳いでる……!私たちみたいだね!ね、大川さん!」
「確かに……。あの魚とか小松さんみたいに元気ですよ?」
小松が指差した方向には沢山の熱帯魚が群れを成して泳いでいた。
大川も、村川と小松の2人も楽しそうでよかったと思いながら、僕も水槽に泳ぐ色々な魚を見て楽しんでいた。
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