第15話

ミラージュ王国とラグナロク共和国の攻撃は、アルベルト帝国に大きな打撃を与えた。

俺達は連携した軍勢を組織し、アルベルト帝国の要塞や拠点を次々と占拠していった。

幻影魔法や水魔法を駆使し、敵の視界を遮り、混乱を引き起こす戦術を展開した。

同時に、ラグナロク共和国の獣人兵士たちは勇敢に戦い、アルベルト帝国の軍勢に対して奮闘した。


「くそっ、何だこの魔法は!?」


「見えないぞ、敵の位置が!」


「助けてくれ、水が溢れてくる!」


アルベルト帝国の兵士たちはパニックに陥った。

彼らはミラージュ王国とラグナロク共和国の攻撃に対応できなかった。

彼らはイリス教の教えに従って、人間以外の種族や魔法を忌み嫌っていた。

彼らは非人間の種族や異教徒を見下していた。

その油断がこの劣勢を招いている。


「我々はイリス教の信者だ。神は我々を助けてくれる」


「そうだ、神に祈ろう。神は我々に勝利を与えてくれる」


「魔王カインとその手下たちを滅ぼしてくれる」


アルベルト帝国の兵士たちは神に祈った。

彼らは俺を魔王と呼び、イリス教を全面に押し出していた。

彼らはイリス教の教皇の指示に従って、俺を倒すために一時的に停戦し、エリオン王国と同盟していた。


しかし、神は彼らに応えなかった。


「これで終わりだ」


俺達はアルベルト帝国の首都に到達した。

フレイヤと共に、アルベルト帝国の皇宮に突入した。

俺達はアルベルト帝国の皇帝アルベルト三世とイリス教の教皇を捕らえた。


「お前たちは罪深い。非人間の種族や異教徒に対する差別や迫害を行った。お前たちは死刑に値する」


俺は皇帝と教皇に対して厳しい言葉を投げかけた。

彼らが俺を魔王と呼び、イリス教を全面に押し出したことに怒りを覚えていた。

彼らが人間至上主義の主張を強くし、非人間の種族を差別し、を引き起こしたことに憤りを感じていた。


「我々は神の意志に従っただけだ。お前こそ魔王だ。お前こそ罪深い。お前こそ死刑に値する」


「神の意志?そんなものはない。お前たちが作り上げた嘘だ。お前たちは人間以外の種族を恐れているだけだ。お前たちは自分たちの利益のために、他者を苦しめてきた」


俺は皇帝と教皇に対して冷ややかな目で見つめた。

俺は人間と魔族の共存を目指して、それに反対する国々と戦争をしてきた。

非人間の種族や異教徒に対する差別や迫害を終わらせることも重要な目標だと考えている。


「お前は何を知っている。お前は悪魔の血を引く異端者だ。魔王だ。お前は神の怒りを買うだけだ」


皇帝と教皇は俺に対して憎しみを露わにした。


「神の怒り?笑わせるな。神など存在しない。存在するのは、人間とその他の種族だ。我々はみな平等に生きる権利がある」


皇帝と教皇に対して自信を持って言った。


「では、お前はどうするつもりだ?お前は我々を殺すのか?」


皇帝と教皇は顔を歪め恐怖の表情で言った。

俺が自分たちに対して容赦しないだろうと思っているだろう。


「殺す?ああ、そうだな」


皇帝と教皇に対して冷静に答えた。

俺は殺すことが正しい方法ではないと思っていた。

殺すことで、さらに憎しみや争いが生まれるだけだと考えていた。

分かってはいたが、俺は憎悪を抑えられなかった。


ザシュッザシュッ


皇帝と教皇の骸が2つ。




俺は、アルベルト帝国を平定した。

フローラ共和国とグリム公国、ラグナロク共和国の3国もミラージュ王国となり、広大な大国となった。


イリス教の教会は寺子屋とし、ミラージュ王国が郷中教育を宗教まで昇華させた、国民の平等と勤労を呼びかけ、教育を通じて社会の発展や個人の成長を促した。


郷中教育を一般的に地域社会の中で実施させ幅広い年齢層の人々に知識や技能を提供の交流をさせた。そこにはエルフや獣人やドワーフが人間と協力し、新たな文化が生まれ育った。

その教育が宗教と合わさる事で、信仰や道徳的な価値観を教え、個人の宗教的な成長や精神的な発展を促すことができた。


国民の平等への呼びかけは、ミラージュ王国が社会的な階級や人種、宗教などの要素による差別を排除し、全ての人々に平等な機会を提供することを目指した。


勤労を第一とし、労働の重要性や責任を強調し、個人の能力や努力に基づく成果を評価し合って喜びとした。

勤労の価値をお互いに褒め合う事で、王国の生産性の向上や社会の安定に寄与した。


これらのアプローチが組み合わさることで、王国は教育を通じて宗教的な成長、平等、勤労意識を促進し、国民の統一と発展した。


5年の月日がかかったが、みんなの協力を得て俺は成し遂げた。


そして、レイラの仇となるエリオン王国を倒す準備は整った。

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