悪魔と契約した皇帝、心の底から笑う為暗躍す
@dododo999
序章
0.邪帝誕生
ここは北欧の国
人間しかいない、北欧の国
特殊能力などは存在せず、人々は支え合って生きている。
北欧の小さな帝国。
国の名は北帝国『シャルラ』
その城主の名をグリム・ネルガウという。
黒髪に黒と紫の貴族服とマントを纏い、玉座に座る。
身長は175センチ程。
二十歳になったその青年は城の舞踏場に貴族を招き、パーティーを開催した。
不老不死の力を得るために。
「この中に邪神がいることは分かっている。」
グリム・ネルガウは舞踏場にて、集まった貴族へ向けて玉座から呼びかける。
「この城に伝わる家宝である『禁書グリモル』。この本の予言通りならその邪神は人の姿で僕の前に現れ、永遠の命と闇の力をお与えになるだろう。さあ、パーティーを始めよう。今日はこの世界に僕という混沌が生まれ落ちる日だ。」
禁書を掲げた北皇の言葉により、パーティーが幕を開けようとしたその時、シャンデリアの光が消え舞踏場が闇に包まれた。
だが、すぐにシャンデリアの光は戻る。
青白く、不気味に。
「これは……素晴らしい。」
貴族達の首がない。
皆倒れ、血を撒き散らしている。
「君がやったのかい?」
「その通りです。」
「これが永遠であり、神の力か。君名前は?」
「ルシフェル」
「いい名前だ。神に相応しい」
黒と白のゴシックなメイド服を着た長髪の少女がルシフェルと名乗る。
160センチ程の小柄な身長ではありながら、大きすぎない胸や長い足、そして長髪は銀色の輝きを放ち、その美貌に惚れ惚れしてしまいそう。
「私は悪魔です。神じゃない。」
「なら僕が神となろう。君と契約を交わしてね。邪神、いや邪帝グリム・ネルガウさ。」
「貴方は、何を成したいのです?」
「僕は旅がしたい。そして、旅の先々で出会う全てのものを手に入れたい。都市、国、大陸、森、海、全てを我が手に。」
「何故、全てを手に入れたいのです?」
「その方が楽しいだろう。僕は心の底から笑いたいのさ。その為に全てを手に入れ、全てを滅ぼしたい。」
「強欲ですね。いいでしょう、契約を。」
「ああ。」
ルシフェルはグリムへと近づき背伸びをして、グリムの口へ舌を入れた。
グリムは身体の底から熱く、静かで、ドロドロとした混沌を感じ取った。
とても気持ち良く。
力を得ていく実感を得る。
グリムの髪が銀色に染まっていく。
眉毛までルシフェルと同じ色に。
「契約完了です。」
「素晴らしい、素晴らし過ぎるぞ! 教えてくれルシフェルこの力で僕は何が出来る?」
ルシフェルが舌舐めずりを行い、グリムから離れて言葉を紡いだ。
「闇の力による身体能力の向上、不老不死、別世界への移動など、この世の理から外れた力が行えます。」
「禁書に書いてあった通りだ。」
「余談ではありますが、禁書は七つ存在します。」
「ほう?」
「無数にある別世界の中のどこかに残り六つの禁書は存在し、悪魔も私含め七体います。」
「いい情報だ。それらも全て僕が手に入れてやろう」
「流石、強欲。私も旅に同行しましょう。貴方のためなら何なりと。まずはどうされますか?」
「そうだな。もうこの世界に用はない。禁書の在処を探る」
「了解しました。あと、その髪色だと目立つんじゃないでしょうか。」
「ふむ、確かに。人と会う時は紫色にでも変えるとするかな」
「それがいいかもです。紫色お似合いになると思いますよ。」
「ありがとう、ルシフェル。」
こうして、邪帝グリム・ネルガウは誕生し、様々な世界で歴史に名を残す事になる。
ただ、刻まれた歴史達で彼は全て悪として紡がれていたという事実を述べておこう。
これは悪魔と契約し神の力を得た男の、終わりのない物語。
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