僕らの青春時代

羽弦トリス

第1話プロローグ

ここは鹿児島県北薩にある、鹿児島県立大口高等学校。

この高等学校は、昔は女学校から始り、男女共学なり商業科が無くなり、普通科の進学校となった。

偏差値45程度で、華々しい大学に合格する生徒はいなかった。

3年前に九大に合格した者が出て、注目された。

体育館は、バレー部、バスケ部、グラウンドではサッカー部、野球部、軟式テニス部。

これらの部活が狭い範囲で活動していた。

そして、グラウンドの隅っこに、プレハブ小屋がった。

そう、このスポーツマン達が、「第7サティアン」と呼んでいたのが、弓道部の活動場所だった。

弓道着に着替えた2年生男子生徒3人が学校の芝刈り機を借りて、射場から安土あづちまでの、芝生の刈り込み、1年男子は安土の成形、女子は全員、穴の開いた的に新しい的を糊で貼り直していた。


バス部活やサッカー部には、女子ギャラリーが多い。

一方、弓道場が裏門のすぐ近くにあったので、芝刈りをしている、男子にばぁさんがギャラリー兼指示係になり、もうちょい草刈り機のエンジンをふかせろ!と言う。

そして、ばぁさんの畑で採れたキュウリを部長の長谷川亮に渡していた。

エンジンをふかし、奇妙な音が弓道場から聞こえるので、他の部活の連中から、

「科学兵器を作っている」

とか、

「弓道場に近付くと、ポアされる」

なぞと言う、噂が広まる。

部長の長谷川は、この部唯一の中学生からの弓道の経験者で、段位は2段だったので、3年生が6月で引退したので、この7月から部長に就任したのだ。

長谷川は貰ったキュウリは顧問の小園先生にいつも渡している。

作業が終ると、長谷川も含めて全員がお菓子を食べながら学校の自販機で買ったジュースを飲んでいた。

ここは、生涯学習センターではない。彼らは老人では無いが、この一服がないと部活は上手くいかないのだ。

これが、弓道部の紹介である。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る