第1話 路上生活


 それから数日、俺は誰にも拾われること無く過ごしていた。幸い、毛布と食事は用意されていたため困ることはなかった。猫用のご飯も抵抗無く食べれる。だがしかし、時折俺に気づいて駆け寄ってくる人の目を見るたび俺は悲しくなった。


「ごめんね、ウチのマンションペット禁止で…」


「お母さん!この子連れて帰りたい!」

「だめです。どんな病気を持ってるかわかりません。」


 あのお母さんに関しては最早酷ぇ。病気って…。

まぁ、そんなわけで俺は路上生活をしているわけだ。俺の唯一の楽しみは定期的に様子見に来てくれる近所の人たちだった。それすらなかったら俺は多分ここから逃げ出していただろう。いや実際飯もあって寒さしのげるし逃げる理由無いんだけど。

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