落ちていく雫

仲仁へび(旧:離久)

第1話



 空を落ちていく


 水滴が落ちていく


 どこまでも落ちていく


 大きなタワーの横を落ちていく。


 たくさんの傘の横を落ちていく。


 いろんな生き物の横を落ちていく。


 地上でとまるかと思ったけど、とまらない。


 まだまだ落ちていく。


 いったいどこまで落ちていく?


 ぐんぐん、ぐんぐん落下する。


 なぜか、どこまでも落下する。


 そのうち、地下道へたどり着く。


 けれどそこでも止まらない。


 まだまだ水滴は落ちていく。


 どんどん、どんどん落ちていく。


 一体どこまで落ちていく。


 水滴にも、誰にもそれは分からない。


 けれど、終わりは必ずやってくる。


 いろんな所を落ちていき。


 いろんな風に落ちていった。


 そしたらとうとう終着点。


 星の内部の中心点。


 そこにぴちょっと落ちていく。


 なんでか不明だけど。


 やっとぴちょっと落ちていく。


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