第37話 ギルマスの演説

「なんで私が?」

「セレナさんは一部界隈に人気なのです!」

セリーヌが意外な意見を言い、


ギルフォードやアーレンも同調

「嘘では無い!」

「もともとの臣民以外にも人気がある」

「生きる希望になる」


わからん!私は人に好かれる事を

進んでやってきた様には思えんのだが!

私利私欲と復讐あとはその手段


「どうなっても知らんぞ!

利のための適当な意見を言うだけだからな」



セレナは一瞬考えたがすぐに即席で内容を考え

人の集まるギルドハウスで


ギルマスとしての訓示というか挨拶

指針の発表


元犯罪者や奴隷、人間以下の扱いを受けていた

生きる希望のなかった難民やスラムの市民たち

ここで再起をかけたり立て直した者たち


更に優遇され保護されて居る子供達が

尊敬やキラキラした視線で


【ギルドマスター】

セレナの御高説を賜る


「まず、ギルマスとしての目先の願い!」

「このギルドの評価ランクをあげ」

より高度、高ランクなクエストを

増やしていきたい!」


重要な事なので意図的に間を区切る







わかりやすい様にシステムを教える

ギルドはスポンサーから仕事を受けて

完了で対価を得る

こなした数で評価される!


その結果お金の収入と信頼を勝ち取れる!


私が言いたいのは『焦げついたクエスト』

達成可能なのに、めんどくさい

金が安いなどのクエスト


新米冒険者に達成可能なものこそ

処理して成果を回転良く積み上げて欲しい


お前らいつから選り好みできる身分になった!

腐った魚や肉、汚れたパンなど

生きるためにはご馳走だった生活から

救い出した結果、


それを作る生活者のための下級クエストを

放置とか末端の市民を救わないものは

英雄でも勇者でも無い!


私から言わせれば金持ちの貴族など

醜悪な豚に過ぎん!


世界を支える農民、市民たちこそ

大事でそれを守ることこそ【英雄や勇者】

人類の最前線で戦う使命!


その気持ちだけは忘れないで欲しい!



しーん






ぱちぱち

呼び水になったのか


パチパチ

( ๑>∀<ノノ"


鳴り止まない拍手喝采と

怒号、俺はやるぜ、俺はやるぜ!

人民の英雄になる!と



セレナとしては名誉や名声では飯は食えん

露骨な損な道への誘導だが

ギルドで困っていた事を解決するためには

必要な方便


ゴミ以下の扱いを受けていたものが

英雄と持ち上げれば頑張るだろう

程度であったのだが


【人に必要な誇りを取り戻す結果】になり

ただの乞食もどきの守銭奴から

名誉冒険者との自覚を強引に持たせる




その結果

例のセレナに心酔する

元ストリートギャング

『ブラッディチャイルド』

血塗れの子供達の働きはすごかった!


抱える新米冒険者もどきの数が違う!

最底辺クエストの消化率が目に見えて上がり

作物を荒らすウサギや猪の駆除

家畜を殺す狼の駆除


頭目やその妹が特に評価されることになる

「貴方たちを正式なPT組織と評価し認めます」

セレナに言わしめて褒賞を贈られるほどで

忠誠度は天井知らずのストップ高になる


セレナの無条件イエスマン、

喜んで命さえ捨てれる存在になる

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