没落悪役令嬢のギルド経営

かんがる

第1話 悪意の撃ち漏らし

「辺境で魔物の大氾濫が

確認されました!」


伝令から内密に国王と宰相の執務室に

報告が入る!


国王は善良で無能な宰相の傀儡である


「宰相には全幅の信頼をしている」

「責任は取る、全てを任す!」


宰相からすれば遅かったぐらい

辺境は私に逆らった貴族の左遷先

所領という名の流刑地

亡き者にしたあやつの娘で

【二度目の大氾濫】を防げるか見ものである


援軍や食糧、物資、資金援助要請など

鼻から聞き入れる気は無い!


4年前は辛くも防いだようだが

辺境がどうなろうと知ったことでは無い!


☆☆☆


セレナ・ベッドフォード辺境伯

後に悪夢とも悪魔とも言われる

見た目が恐ろしく美しい女性は微笑む!


「ついに大氾濫が起きましたわね」

「準備の方は?」


昔からの忠臣の参謀が答える

「万全です、兵糧、兵の数、質

武器や装備に至るまで!」


「計画はわかっているな!」

「辺境都市防衛の後に、

魔物たちを可能な限り

内地に追い込む」


他の都市の被害は考慮に入れるな!

辺境の者たち

うちらだけが犠牲になり

腐敗した王国を支えるのは終わりだ!


王国の流通を麻痺させ

食糧生産の田畑を荒らし

数千倍の被害を受けてもらう


☆☆☆


「困ったものだ!」

「訓練の終わった新兵をメインに防衛に

着かせてメイン戦力は別任務とか」


「あの辺境伯は悪魔か!」

「あえて犠牲を出しても被害を容認の構え」


そして最下層の使い捨てのゴブリン達が

現れだす!そして弓や槍での迎撃が始まる

柵の裏からの槍や外壁の上からの弓矢攻撃

弓矢で負傷したものから討ち取られていく


☆☆☆


「さて牧羊犬の登場だ!」

「任務はしっかりこなせよ!」


練度の高い精鋭の騎兵2000が

大氾濫の後続の指揮官に側面の森から

襲いかかる


「魔族は居ないのか、

大鬼、大型のオーガが指揮官か!」

【斬首作戦】指揮官以外に用はない!


慣れたもので囮役数機で接近して

敵の攻撃を誘い!


攻撃からのバランスを崩したところに

後続の馬ごとの体当たり

一度でも倒れたら二度と

立ち上がらせる気は無い!



効率化された作業

人数差を使い

続く騎兵達が槍で次々と突き刺し、

刺した槍を捨て

更に続く騎兵達も次々と槍を刺して離脱

最終的には50本以上の槍を刺されて

ハリネズミのようになり瀕死の状態!


「卑怯でもこれが戦場だ!」

「首を貰い受ける!」


この騎兵部隊の指揮官

アーレン・ブラフォードが


業物のミスリルのロングソードで

一刀のもとに首を刎ね飛ばす!


部下に「首は拾っておいて」

「それは高くつく大事に持ち帰れ」

命令を下す!


後は馬が疲れるまで敵を追いかけて誘導

恐慌をきたして逃げるように仕向ける


戦場で最も悲惨な無駄死に

大勢の仲間に踏み潰されて圧死

や川での溺死、崖からの転落など

わかっていても避けることができない

後ろから迫る仲間達の壁

反転などできようはずもない!

とにかく誘導されている前方に逃げるしかない


無事に領外に追い払う事に成功する!



それが何を意味するか

アーレンは理解しているが

政治や外交は私の仕事ではない!


それこそ

セレナ嬢、悪女の独壇場である


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る