〜99〜黒魔導石と、夜闇の神、そしてある家の関連性


なんかアースが騒がしいと思い始めた光司です。


すごくいいことらしいんだけど、何が起きてるんだ?

えーっと、あー。

エルフの里【フランデ】が国交に加わったのか。


へぇー、あそこの人そういうの嫌いだと思ってたんだけど。

やる時はやるんだなぁ。

だけどなんで今?


なんか変化ってあったかな。

変化する時に世界は動くって講習会で言ってた。


だから変化があったはずだけど……?

わからん!! (知能指数5)



で、なんで見てないうちにアイテム保管庫がパンパンなの?

貢ぎ物が大量に届いてるみたい。


文明が進んだから普通に使えるお皿とか、装飾されたコップとか、鉱石まである。

気になったのは、これ。



【サクリファス産 黒魔導石ラジエミル



ラジエミルってのが普通の名前なんだけどなんか聞き覚えがある。

母さんから聞いたけどなんだっけ。


ラジエルって神様が無慈悲に堕天するんだっけな?

仲良く暮らすんだっけ?

その神様の身につけた石が確かこう言ってたはず。


わからんな。

でも懐かしい。


そんなお話が好きだったんだよ、他人事に思えなくて。

すごく夢で出てきそうなお話だったんだよ。


その話は小学校低学年くらいに聞いたっきりだから詳しくはわからないんだけど……。


まぁいいか。




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「この感じって、ラジエミル? 懐かしい……」

「何急に言ってるの小夜?」


「いや、なんでもない。懐かしんでたの」

「母さん、エネドリ取って〜。早くしないと大会始まっちゃうー」


これがこの家の日常。

姉はもうこの家から出て社会人になってるし、結婚もしてる。

兄は家でプロゲーマーをしてeスポーツで歴史に残る成績を叩き出している。

もう1人いたのだが、亡くなってしまった。


母は小夜。

そこまで昔の話を言うことはないけど、若いお母さん。

昔から顔もたるみさえ出てない。


父は総司。

普通のサラリーマンをやっている。

小夜に心を射抜かれてから2人仲良く暮らしている。

喧嘩なんてもってのほか。




「これがアイツの家の中っスか。で、小夜が監視対象を抜けたはずっス……。アイツはあと少しっスね」

そう言って地球を観るのを止める、ため息を吐いたのを知る余地がない光司だった。


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読んでいただきありがとうございます。


面白ければ★★★、面白くなければ★。


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