〜98〜嶺の後悔、またのチャンス。
「……奇跡の光だ」
そう呟くのはエルフの里長のナミレ=マギ。
この富士五湖の近くにある湖の周りに住んでいるエルフは世界樹の守り人だ。
高い知識と、薬学や医学の力は随一。
誇り高く、信仰深い人柄のため人里に降りることはない。
そんなエルフが世界樹の光に頭を深々と下げる。
世界樹は湖の中心部に位置する島に植えられており、光を発するということは神が祈りを捧げた。
人々に声を届けてくれる一つの手段だ。
『レインドニアやサクリファスの国交樹立が進んで欲しい。発達をして欲しい』
これが今回の祈り。
その前は9000年ほど前だったとされている。
それほど貴重な物を目にすることができることはエルフにとって一番の誇り。
しかし、国交樹立を祈るということはそれを気にかけている。
それがもっと上手く行くことを想っているということ。
しかしエルフは外の人々とは拒絶の道を辿っている。
だがそれも終わりとなることだ。
マギはサミエルから国交が樹立した場合にそれを手伝って欲しいと裏で言われていたのだ。
「そう言うことか、サミエル様。神の御意志に従って行きます……」
「里長!! コレってサミエル様が言っていた……!」
「そうだな、レインドニアに大使を派遣してくれ。早急にだ」
「御意!」
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「これから発展しそうだね、アリスちゃん!」
「そうですね、嶺さん」
画面越しから見ていたのは嶺と、アリス。
嶺たちは全世界を仲良く暮らすという光司の目標を陰から支えるのが仕事。
手配をしたり、裏工作だって、人殺しまでもやる時はあった。
中学生だった頃の嶺はただ光司と仲良く出来ればいい。
友達のままでも、光司に恋人が出来ても見守るだけでいいと思っていたが、今は違う。
あのニュースを見た時、どれだけ泣いたのか。
そうだ……もう後悔はしない。
そう決めた。
私は光司くんを振り向かす。
絶対に誰にも負けない。
……と言いたいけどそこまで言える嶺はいない。
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