〜80〜魔王国との国交……どうなる?


「ゴロ=ミダイリです、魔王国【サクリファス】の大臣をしております。サミエル様に会えて光栄の極みでごさまいます」

「そう言ってもらえるととても嬉しいです」

「ささ、今後について考えていきましょうか」


嶺、もといサミエルは魔王国にも影響力があるようだ。

いつのまに……?


サクリファスという国は岩場が多く、土も作物が育ちにくい土質なのだと。

地球のほうの北海道は本州の土を持ってきて入れ替えたんだとか。

アリスが教えてくれてよかった。


でもこれを見越してやっていたのかなぁ?

知らんわ。


でも思ったんだけど土を新しく買えばいいだけじゃない?

それを入れ替えれば一瞬な気がする……。

『マスター、これはアースの人々の問題です。魔王国のみに肩入れするのはよろしくないかと』


え?

そうなんか。

問題があった時に周りの人が手を貸すのは良くないみたいなやつか?

TWOちゃんねるにもあったような。

ちゃっかり頭に直接話すのは少し慣れない。



「私が思うにレインドニアは作物などがよく取れると聞いております。では貿易をしてみるのはどうなんでしょう?」

「ほう、レインドニアにはどんなメリットが?」


「サクリファス国には豊富な鉱山資源があると記憶しております。そしてその宝石などの加工技術、魔法知識の多さ。それらを交換すれば良いのでは、と思いました。貴族たちの宝石は権力の高さの象徴。そして魔法知識はあればあるだけいい。そう思いませんか? レインドニア・グラシアス王」


「ふむ……。宰相、どう思う?」

「そうですね、とてもいいと思います。貴族からの支持も少しは上がるかと」



「……そうか」


サミエルはとても理にかなっていることを言っている。

はずだが、光司は理解が追いついていないようだ。



「国交を結ぼうじゃあないか、宰相。周辺国へと通知を出すのだ」

「かしこまりました、国交樹立の書類はこちらです」


「ありがたいです、我が国は最大限の努力をしましょう」

「レインドニア国は穀物を届けましょう、季節に沿ってお送りしますぞ」


そして二国の国交は無事樹立を果たし、すぐに街道の整備が敷かれた。

文化交流も行われ、とても有意義なものになったという。




光司は何もわかってないようなのは今も同じ。

「二国がいいならそれでいいか……」

そう他人事のように話していた。


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