〜77〜拍手喝采亭、始動からの撃沈。
俺とポセさんは再度衣装をチェックする。
そして舞台裏の階段を登る。
そこから降りて行き、コントをするあの定番。
そしてタイミングになると意気を合わせて
「「どーもー」」
と勢いよく降りていく。
拍手はもちろんのこと、集中しているのがわかる。
「光司でーす」
「ポセでーす」
「「二人でー【拍手喝采亭】でーす!!」」
その声はこの会場に響く。
見られているのが嫌でもわかる。
「最近、美味しい魚屋さんを見つけたんっスよ」
「ほう、ポセさんそれは何処に?」
「スーパーの中にあるんっスよ」
「ん? スーパーの中に新しく新設したんですか?」
「いやいや、スーパーが新しくできたんっス!!」
そのようなツッコミと共に会場に少しばかりの笑いが届けられる。
「その魚を買ってきたんっスよ、見るっスか?」
「見たい、見たーい(棒読み)」
「どちらにせよ見せるんっスけど、これっス!」
そう言い何かを出す素振りをする。
そしてどこからともなく黒いカーテンをした水槽を取り出す。
「買ってるって、飼い慣らしてたんですね!!」
「そうなんっス!」
「某有名アニメに怒られますよ、ポケモソに」
大きな笑いが巻き起こる。
コメンテーターの皆さんも笑っている。
嶺もその中の一人。
「コレが食べると身がブリブリなんっス」
「食べちゃうの? でも身がブリブリって言わないし、わざと入れ込んでる……? ということはブリなんですか?」
そのように話すといやいや、とポセさんが首を振る。
会場にはハテナが現れたようだった。
「全然違うっス、コレはサバっスよ?」
「俺は鯖読みしすぎたようです」
「「どうもありがとうございました!!」」
その声を聞くと笑いを堪えていた皆が笑いだし、拍手喝采が鳴り続ける。
その後コメントがなんで言われていたかすら覚えていない。
楽しかったのだ。
「【拍手喝采亭】の得点は?!」
司会の声がそう言うと、画面に点数が下から発表される。
一桁目は7。
二桁目は9。
コレで三桁目が9だった場合には堂々の勝ちが決まるだろう。
「897点!!」
その声が響いた時のポセさんの顔は思い出すだけで面白い。
この世の絶望を味わった顔だった。
でも楽しかったからいいか。
==========
読んでいただきありがとうございます。
面白ければ★★★、面白くなければ★。
♡もつけていただけると幸いです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます