〜48〜異線人+複合スキル=強い 編集済

「う゛ぇえ゛え〜ん゛!!! お゛兄さん゛だ!!」


「ちょっと……落ち着いて? 息を吸って、吐いてー」

「ダメそうっスねw」



召喚をした男の子は俺を見るや否や泣き出し、俺はめっちゃ困惑している。

決して泣かせたわけではない。多分、きっとそう、そのはず。(矛盾が生まれたw)


神架図書館アカシック・ライブラリーで探したらこの子が出た。

マッチ率98.5を記録、最高率らしい。


あの後直ぐに召喚に移ることになった、神界最高率だったので他の召喚の予定を全て潰して俺の予定がねじ込まれたようだ。


すげぇ、のか?(分かれよw)



なんか俺を尊敬していた、って言うのは本で理解した。

俺が死ぬ直前に助けたのがこの籠山 陽炎こみやま かげろうだ。

この後、人を助ける事を続けてここに辿り着けたらしい。


自分で言うのもアレだがなんかむず痒い。

尊敬されることがないからなんとなく恥ずかしい……。


召喚自体はこの通り成功、だが精神状況が大変よろしくないですね。


「なんか光司くんって泣かせるの得意なんっスか? 再会で泣いてる人しか見たことないっスよww」

「そういう能力とかないです、あったら俺が死にたいです。恥ずかしいです」

「う゛ぇえ゛え゛〜ん゛!! い゛ぎでる〜!!」


俺に抱きついて離れない陽炎くん。

頭を撫でてみたりしてみるも特に変わらなかった。

ここで引き離すと悪化しそうなので抱きつかせている。


なぜだろうこの『い゛ぎでる〜!!』って泣き出すフレーズも2度目な気がする。

既視感というかなんと言うか……。


まぁこの後に陽炎くんを落ち着かせるのに30分ほど手間取ってしまった。

子供あやすことなんてないもん、分からないしポセさんなんか楽しんでたもん。




======


「いろいろすみません、命の恩人に見苦しいところを……」

「大丈夫だよ、そんなに気にしないで」


「ありがとうございます……、そういえば自己紹介がまだでしたね。籠山 陽炎こみやま かげろう17歳です。趣味は漫画を読むことです!」

「俺は、光司。神冥 光司しんみょう こうじ、趣味はシミュレーションゲームだ」


「よろしくお願いします、光司さん!」


よしよし、ちゃんと挨拶は完璧。

出だしは好調!



「そして、ここにいるには訳があるんだけど……異世界って知ってる?」

ここで知らないって言えば説明が長くなってしまう。



「知ってますよ! すごいですよね、漫画家さん達が面白いのを世に送り出していて」

「ワオ、語れる系なんか……。まぁその異世界に行ってみない? というお誘いなんだけどー……どう?」

「行きます!!」


「即答っスね……覚悟が出来て過ぎじゃないっスか?」

「光司さんの話は全て断りません!」


即答か……これも見覚えMAXだ。

でも断られるよりは断然マシだと思う。


「凄く変なこと言うかもしれないけど俺は神様になった、でも定期的に勇者などの異線人を送らないとなんだって。ここまではOK?」

「神様になったんですね、納得です……。話は理解できました」

よし、つかみは順調!


「で、その異線人を頼みたいの。スキルとかもできる範囲ならあげられる。物が欲しいんだったら作ってもらおう! 陽炎が異線人だからね」


そう言うと一瞬、耳がピクリと動いた。

何に反応したのだろう……?


「……じゃあ、鑑定みたいなスキルとか、アイテムボックスみたいなのもいいんですか?」

「もちろんさ!」


「どうしよう? 光司さんオススメは??」

「俺使ったことないし……ポセさんなら分かります?」



「よく聞いてくれたっス!! それはっスね、この複合スキルっス!」

そう言いポセさんはチラシを見せる。


内容は技能招集屋スキル・コレクターで今ならスキルをお得に買えるというチラシ。

どんなスキルでも取り扱っていると言われるほどの技能招集屋スキル・コレクターは神界でも有数のスキル販売所だ。


「スキルを複合したのを割引で買えるのでコレがいいっス!」



なるほど……で、複合スキルってなんだ?

聞いたことがあるようなないような……。


『複合スキルはスキルを組み合わせて新しくスキルを作ることが出来る施設です。神鉏工房シロガネと併設しているので行って見てください、マスター』


なんだ?! 脳内にアリスの声が!

響いた、脳内に語りかけてるというか……。

ハイテクやなぁ、アリスは。(一瞬で解決ww)




「じゃあ行くっス! ついてきてくださいっス!」

「はい、ポセさんよろしく」


「ポセさんよろしくお願いします」




俺は軽く挨拶したけど、陽炎くんは凄く律儀に挨拶してる。

えらいなぁ、俺も見習わないとね。


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