二つの物語の交差点編
〜46〜あの時から始まる物語の一節。 編集済
部屋で嶺のアーカイブを見ている俺、そんな時にドアが開いた。
見てみるとクロウが入って来ていた。
「ねぇねぇ、あるじ!」
「なにー? どうした?」
クロウの話を聞きながらコーヒーを飲んでいる、それが最悪の結果になりかけただなんて思いもしなかった。
「勇者のことどうするの? 「グフクッ!!」ポセさんから手紙きてたよ?」
「ゲホゲホッ」
コーヒー吹きかけたがなんとか耐える。
変に気道に入ったから結構痛かった……。(大丈夫か? ww)
「あるじ、大丈夫??」と心配しているクロウを見てると落ち着く。
というか、クロウを見たら落ち着いた。
「あるじ、大丈夫……?」
「多分大丈夫……かな?」
「なら良かった……!」
クロウのニカっと笑った顔が眩しい、無意識のうちにクロウを撫でてしまう。
撫でられるとふにゃっと可愛い顔に変わってついついお菓子をあげちゃう。
クロウは俺の精神安定剤だなぁ……。
……ハッ!! クロウが持って来たポセさんからの封筒の中身を見ないと。
中身を見ると勇者召喚をしないといけないこと、そのために
そういえば、そうだった! 「勇者召喚をアースで行われるのが後少しだから準備してるの?」って嶺に言われたんだった。
今すぐ調べないと!
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そしてすぐに
街に行き、ギリシャ神話支部の隣にある情報管理塔という場所へ向かうことになっている。
ちなみにギリシャ神話支部は俺が最初にいた場所でもある。
あそこで転生とかをしたり、いろんな必要なものが買えたりするらしい。
「マスター、ちゃんと地図読めますか?」
「あるじ、こっちに行くんだよ!」
「……なんでついてきてるの? 別に行けるのに」
アリスとクロウが俺についてくることになったのだが……。
クロウは俺の左腕にくっついて、アリスは右側で歩いている。
嶺はまだ
そしてクロウは張り切って進んでいくからそれについて行けば行けるらしい。
それにしてもギリシャ神話支部に入らずにギリシャ神話支部をぐるりと囲む道に行くクロウ。
「……ねぇクロウ? こっち違う方向じゃない? ギリシャ神話支部入らないの?」
「あるじ、こっちであってるよ?」
「マスター、やっぱりわかってないじゃないですか……」
えぇ……、だってギリシャ神話支部道に入っていくんだと思うじゃん。
そして少し歩いたのちに着いたのは着いたのはギリシャ神話支部の外壁。
特に何もないんだけど。
ただ白い壁にプレートを置くであろう機械が置いてあるだけ。(あるやないか!)
とくに奥に続くドアもない、階段もない。
ただの壁。
そこにポツンと機械がおいてあるだけ、なんで?
聞いた話によると、中には東京ドーム十個以上の広さがあるって話だが特にそんな感じもしない。
「あるじ! ここにプレートを置くんだよ!」
この機械にプレートを置いて、ピッと。
そうするとなんの変哲もない壁がモゾモゾと動き初め、壁が消えていく。
そして開いた壁の中には階段があった。
白い階段の先はじんわりと光る間接照明で照らされていた。
その奥はまだ見えそうになかった。
アリス達もプレートを置いてその階段を降りていく。
全員が入った時には後ろは壁だった。
後戻りはさせてくれないみたいだ。
コツコツと白い階段を降りていくがまだ先が見えそうにはない。
下の方からじんわりと間接照明が光っているが少し薄暗いこの階段はなんとなくカッコいい感じがする。
そんなことを考えてるうちに一気に視界が広がった。
開けた場所を見渡すと一面本で埋め尽くされている図書館に出る。
上を見てもキリがないくらい高くて、横を見ても先が見えない。
階段や廊下が動いているのが見えてハ◯ーポッターの寮みたいに見えた。
ここは三階のようで後ろの階段から降りてきたみたいだった。
見下ろすと神様が本を読んでいたり探しているのが分かる。
「
「ここがどんな情報でもある理由がわかってくれて嬉しいです、マスター。これでもまだ一部なんですよ? 私の弟が管理してますね」
アリスの弟さんがいるんだな。
……でもよくよく考えてみるとロボットの弟ってどういうことなんだ?
後継機のこととか? わかんないな。
「あるじ、僕たちがいくのは【地球管理名簿・哺乳類・人間・日本人・勇者候補棚】だよ、こっち!」
クロウが手を引っ張って教えてくれる。
歩いて勇者候補棚に降りていく時にロボットと何度かすれ違った。
丸い球のような見覚えのある形から、the ロボットという形、人間のような形まで様々な種類があった。
これらをアリスの弟さんが管理してるんだとか。
アリスの弟さんには会ってみたいものだ。
そしてここが日本の勇者候補棚。
【地球管理名簿・哺乳類・人間・日本人・勇者候補棚】
と書かれている、ここで間違いないようだ。
なんで日本人なのかというと漫画やアニメで異世界への理解があるからなんだとか。
日本人すげー、サブカルチャーすげー。(思ってないくせにw)
「マスター、ここに手を置いてくれますか? これで勇者候補で一番いいものを探せます」
アリスが本棚にある手形に手をはめて欲しいと言う。
これに手をはめると本棚から適切な資料を出してくれる。
その意味の通りで、この手形の石に手をはめるとどんな人がいいか、どういうことをしたいのか。
何を望んで、どんな人材がいいのかを瞬時に読み取ってくれるのだ。
「ここに嵌めればいいのね、OKやってやんよ」
手形に嵌めてみると特に何も起こらない、アリスいわくこのまま待ってればいいんだとか。
そして30秒ほどするとカタカタと本が揺れ始め、一冊の本がパタパタと飛んできた。
途中で床に落ちてしまったが、背表紙を上手く使い立って歩いて来るではないか。
正確には本を開いたのちに閉まる。
それをモゾモゾと繰り返して歩いてるのだ。
なんとなくかわえぇ。
そうして俺の前に来たらフッと動かなくなった。
何かが操って動かしていたのかな……? そうしたら少しドジな子なのかな?
「コレは誰の資料なんだ?」
「そうですね、表紙に名前は書いていないようですが……中に簡単な概要の紙があるはずです、マスター」
そういうことなので中にはしおりのような紙が入っており、そこにはこの人の名前と一緒に簡単な紹介が書かれていた。
『
……?! あの時、俺があの時助けた子供……なのか?
正確には小学4年生の時、轢かれそうになったのを間一髪で助けたあの
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読んでいただきありがとうございます。
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