~30〜すげー封印ならず……。 編集済

俺が部屋で少し作業をしていた時、なんとなく「最近語彙力が無い事しか言ってない気がする」って思い出した。

本当になんとなく思っただけなんだけど、少し語彙力を取り戻したい。

一時的にすげーとかやば、とかを封印したいと思う。


「語彙力はないとおかしい奴に見えるからね、しっかり直していこう」

このまま頑張って封印しよう。


そう思いながらコーヒーを啜る。

「こういう時が一番ええ時間やなぁ……」

昼からゆっくり作業しながらコーヒーを飲むのは大人の嗜みだよね。


そう言って飲み過ぎた後にトイレに篭ることになってしまった俺だった。




======


そして語彙力を失った発言をしないと言って封印してから3日後……。

今のところ3日はもった。


いいぞ。

このまま5日を目指そう。


そう思いながら今日もアースの機能を追加していく。

今日は少し豊作になるようにするアイテムを使っておこう。


――――――――――――

豊作の加護札 ★★☆☆☆


豊作の加護を溜めた札。

神界での一週間分の加護がある。

一回きりの使い切りアイテムで、

効果は絶大だろう。

――――――――――――


無料ログインボーナスで貰えた物なので0ポイントです。

これを使うとアース全域が豊作になります。


神界での一週間分の加護が付与できるんだとか。

つまり1日で5年進む設定なので35年間は豊作になるらしい。

凄く便利なアイテムですね。


ちなみにこれを使うと森などが活性化し、生物が全体的に増えるんだとか。

そうすることで貰えるポイントを相対的に増やすアイテムらしい。(アリス情報)


そんな時、部屋のドアがノックされた。

「……あのー、少しいいですか?」

そんな可愛らしい声が聞こえて来たので一度中断して開けることにした。


「どうした? なんかあったのか?」

「あの、私が初めて作ったダンジョンが完成したんですけど……見てくれますか?」


「いいぞ、どうなっているか気になってたしね」

そう言って和室に行くことになった。


和室に一度私物を置いて生活してもらっているが、おいおいどこか違う部屋を使わせるつもりだ。

和室に入ると綺麗に整頓されており、アリスや嶺のいい匂いで充満している。


なんか嶺達が使い始めてから初めて入ったから知らなかったけど、ここまで綺麗に可愛くされていたんだな。


「光司くん、これに座って」

そして差し出されたのは嶺のゲーミングチェアだった。

「あのー、女の子の使ってる椅子に座るのはダメだと思うけど……」


「イヤ……なの?」

くぅーーーっ、上目遣いッ!!

嶺の方が少し小さいのを生かして、可愛さMAXの上目遣いッ。

これを断れる男などいない。


いたらソイツは男じゃ無い。(言い過ぎです、)


撃沈した俺は嶺のゲーミングチェアに座る。

パソコンの画面をいじるために嶺が横から操作する。

その時に俺の前に体を乗り出すものだから、嶺のいい匂いがフワッとして気が気でない。


そんな時も束の間。

例のダンジョンのお披露目だ。


「これが最初のダンジョン、【最果てのダンジョン】です。これは最初なのでとてもがんばりました」


こんな隣からいい匂いの状況でちゃんと聞けるものは到底無理だが、害悪プレイヤーで鍛えた精神力でなんとか耐える。

最初のダンジョンは地球で言う東京の真ん中に作られた。


入り口は普通の石でできているようだが、周りの草原にポツンとあるためとても目立っている。

最初のダンジョンだから石でコケやツタが生えてるだけのシンプルさがよりダンジョンを引き立てていた。


この映えるダンジョンを作れたのは嶺のおかげだろう。

さすが無課金世界一のプレイヤーだ。


とてもカッコいい、最初に作るダンジョンの作り方をよくわかっている。

異世界で最初のダンジョンはやっぱりシンプルイズベスト!


「ほんと、《《すげー》……あ、》」


「??」



あっ、破っちゃった。(おいww)

すげーとか封印してたのに守れなかった。これこそ三日坊主だな。




「ま、まぁ、【最果てのダンジョン】はどんなものか見てみようか」

「そうだね!」


最初の階層は大草原。

どこを見ても草原、青空、白い雲くらいしか無いので迷うこと間違いなし!

the.初期ダンジョンって感じで凄くいい。


広いのが一番の難関で、ギミックもなし。魔物もスライムやゴブリンなど雑魚のみ配置。

野生の羊や馬などもいるので家畜をそこで出来るくらい安全なんだとか。


でもやっぱりダンジョンといえば宝箱ですね。常識です。

最初の一階層だと弱い短剣や、ポーションくらいしかない。


だけど下に行けば行くほどいいものが入っているのがダンジョンだ。やっぱりこれも常識ですね。

下に行けば行くほどだんだん強い敵が出てくるのも常識ですよね。はい。

これこそダンジョンってもんよ。(そうだな)


「いいんじゃない? めっちゃ初期ダンジョンって感じで俺の好みだわ」


「そう? 良かった……、これで違うとか言われちゃったらどうしようかと思ったよー」


そうして次の階層に行く。

するとまたもやあるのは草原と、空。雲と、芝生のみ。


たまに動物とか魔物がある程度。


しかもこれに加えて初期ダンジョンならではの階層の多さ、200階層まであるらしい。俺は絶対にやりたくないね。



そして5階層ごとには階層主ボスモンスターが居てその辺のモンスターとは少し性能の差があり、倒すことでそこの階層は終了って感じになっている。


「五階層毎に祭壇ってものがあるんだけど、まぁセーブポイントみたいな感じだね♪」

「そんなものまであるんだなぁ、すげー。(本日二回目の破り)」


下に降りる時は中心の祭壇をつかって地上に戻るか、階段を使って次の階層に行く。または行ったことのある祭壇にワープするかの三択らしい。




なんでこういうのってカッコいいし、便利なんだろう?

分からないけど先ずは隣の嶺をどうにかしてほしい。(贅沢な悩み、裏山だわ)


==========

読んでいただきありがとうございます。


面白ければ★★★、面白くなければ★。


♡もつけていただけると幸いです。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る