逆さの時計

狐の御面@狐先生

逆さの時計

夜の12時、ミヤビは逆さの時計を見つめていた。その時計の針は、左回りに動いていた。彼女の周りには、青いバナナと紫のリンゴが浮かんでいた。


「また、この時間が来たのね。」ミヤビはつぶやいた。


突然、彼女の足元から大きな声が聞こえてきた。「ミヤビ、3番目の月に行かないと!」


ミヤビは空を見上げると、9つの月が浮かんでいた。しかし、3番目の月は透明で、中には巨大な金魚が泳いでいた。


彼女は紫のリンゴをかじりながら、逆さの時計の中へと飛び込んだ。時計の中は、無限の階段が続いていた。ミヤビは階段を駆け上がり、3番目の月へと向かった。


月に着いたミヤビは、金魚に「時間を戻して」と頼んだ。金魚はにっこりと笑い、「それはできない。でも、君の心の中の時間は自由に動かせるよ」と答えた。


ミヤビは混乱しながらも、自分の心の中の時間を探し始めた。そして、彼女は気づいた。時間は、外の世界ではなく、自分の心の中に存在するものだと。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

逆さの時計 狐の御面@狐先生 @kitunenoomen1

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る