第113話 救世主山田君!
いきなり立ち上がってそう言い放った山田君にクラスの視線が一斉に集まった。
まさか、こんな大胆なことを山田君がするなんて思ってもいなかったため意外だ。
「だってさ、星乃君って多分すごく一途な人だと思うよ?そうじゃなきゃ僕に脚本の変更なんて頼みに来ないと思うし。」
おいおい。脚本を変える話は言うなって言ったのに。
でも、庇ってもらっている手前文句も言いにくい。
「それに、多分デマでしょ?今も陽炎さんと星乃君が隣に立っているんだからさ。本当に浮気とかしてたらもっと空気が悪いはずでしょ?」
山田君の言うことにも一理あるため先ほどまで反感の視線にさらされていた俺への視線はどんどん疑惑の視線へと変わっている。
「そうだよ!蒼君はそんなことしてないししてたら私が直接手を下してるから!」
言っていることが恐ろしい。
そして、目が笑っていない。
最初からするつもりはないが絶対に浮気なんてしないようにしよう。
「え、そ、そうなの?陽炎さん。」
「うん!当たり前だよ。浮気なんて絶対に認めないから!」
山田君は月の発言に少し戦慄していたが気にした様子もなくクラス全体に恐ろしいことを言っていた。
その発言を受けてクラスメイト達は、ここまで言う彼女がいるのに浮気はしないか。や、ここまで言ってるんだから本当に浮気していたら星乃はもうこの世にいないかも?
と、言ったような発言が多く聞こえてきた。
「と、言うことで配役は王子様が蒼君。お姫様役が私こと陽炎月で決定で。」
月がそうクラスに向けて宣言するとクラス中で拍手が巻き起こった。
これでようやく文化祭に向けての準備を進めることができるのだ。
あと、少ししか準備期間はないが小物などの準備は順調に進んでいるため後は俺達配役が演技の練習をするだけで済みそうだ。
「じゃあ、今日はここらへんで解散で!山田君はできた脚本を私に渡してから帰ってね!コピーしてくるから。」
「うん、はいこれ。」
「ありがとう。じゃあ、解散!」
月の宣言でクラスメイト達がぞろぞろと教室を出て行った。
残ったのは俺と月だけ。
美波は先に帰ってしまった。
「よかったね。蒼君の悪評が収まって。」
「ああ。山田君に感謝だな。まさかあそこまで積極的に行動できる人間だとは思わなかった。まあ、そのあとの月の発言が大きかったってのはあるんだろうけどな。」
「まあね~。あ!言っておくけどあの時言ったことは本気だからね?」
「もちろんわかっている。」
浮気なんてするものか。
月以上の女子はいないだろうし、いたとしても興味がない。
それに、俺はまだ生きていたいからそんな自殺行為はしたくない。
「ならよかった。じゃあ、この脚本を先生にコピーしてもらったら今日は帰ろっか!」
「了解。なんだか疲れた。」
「蒼君は何もしてないでしょ?」
「気苦労だよ。」
「なにそれ~」
言いながら俺たちは職員室に足を運ぶのだった。
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