第112話 波乱万丈配役決め?

 そんなこんなで放課後がやってきた。

 授業はいつも通り退屈だった。

 でも、そんなことよりも今日は視線が痛かった。

 男子からは言いようのない憎悪と嫌悪の視線、女子からはごみを見るような目で見られた。

 正直結構きつかった。


「はい。ということで脚本が出来上がったそうなので再び配役を決めようと思います。」


 月が前に立って元気よくそう言った。

 俺も一応前には立っているが今の俺がなにかを言っても反感を買うだけなので黙っておくことにした。


「えっと、山田君。今回の脚本かいてくれてありがとね。」


「いえ。大したことでは。」


「じゃあ、配役を決めようと思うんだけどどうやって決めよっか。」


 この前は神楽が仕切って投票制になったけど今回はどう決めるんだろうか?

 ここは完全に月に任せる形になってしまう。


「普通に立候補でいいんじゃない?そういうのはやりたい人がやればさ。」


 ナイスだ!美波。

 月がどう配役を決めようか迷っているときに美波が助け船を出してくれた。


「じゃあ、それで。山田君この前の配役とあんまり変わりはないんだよね?」


「うん。配役自体は本当に変わらないよ。小人7人とお姫様、王子様に魔女だよね?」


「うん。あとは裏方の証明とかナレーションとかかな?」


「わかった。じゃあ、小人からやりたい人手を上げて!」


 月がそういうと男女あわせてちょうど7人が手を上げていた。

 こんなにあっさり決まるとは思っていなかったので少し驚きつつ黒板に7人の名前を記入する。


「次はお姫様。」


 次は簡単に手は上がらなかった。

 皆なんだか気まずそうな目をしている。


「う~ん。じゃあ、いったん保留で。次は王子様いる?」


 今回も特に挙手する人はいなかった。


「王子様も?じゃあ魔女は?」


「私やるよ!」


 美波が元気に手を上げていた。

 魔女を率先してやりたがるとはすこし以外ではあるんだけど。


「わかった。じゃあ、お姫様と王子様以外は決定だね。」


 照明やナレーションも順調に決まったけど王子様とお姫様はなかなか決まらなかった。

 今なにも役職についてないのは男女それぞれ五名ほどだ。


「月ちゃんがお姫様で蒼が王子様役でいいんじゃない?」


 美波が少しめんどくさそうにそう提案した。


「え、それでいいのかな?」


「だって他にやりたい人もいないようだし。」


「じゃあ、そうしよっか!蒼君もそれでいいよね?」


「ああ。俺もそれで構わない。」


 これで配役が決まりそうといったときクラス内が少しざわつく。

 どうやら、俺が王子様役なのが気に入らないらしい。

 まあ、あんな写真が出回っているんだからこんな反応をされても当然だと思う。

 俺が少し自嘲気味に笑っていると山田君がいきなり席を立った。


「どうしたの?山田君。」


「いや、星乃君のうわさってデマだと思うんだよね。」


 立ち上がるなり山田君はそんなことを言い出していた。

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